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春になって松明調進・赤目極楽寺 伊賀一ノ井松明講

お水取り(修二会)に使われる松明を、東大寺二月堂に納める松明調進行事は今年で774回目を迎えた。2月11日に松明山からヒノキを切り出し、3月10日行事の寄進者である道観長者に二月堂に運ぶことを報告する松明調進法要が行われた。通常なら3月12日に運ばれる予定であったが、昨年と同じくコロナ禍のため延期され今月13日、二月堂に運ばれた。
午前9時から中川拓真住職による安全祈願法要に続いて、5荷(か)10束の松明が丁寧にトラックに積まれ、9時30分極楽寺を出発した。この松明は来年のお水取りに使われる。1荷は太い青竹の片側に50本弱の松明の束、もう片側に60本弱の松明の束が括り付けられたもので、本来なら荷を交代で担ぎながら笠間峠まで運ぶ松明行列が続くが、今年は住職、松明講役員、年番など11人の最少人数での調進であった。
中川住職は「やっと今日調進することができる。今年で774回と言われているが、これは記録がある聖玄上人の寄進からであり、実際は800年位続いていると思われる。道観長者の思いを乗せて奈良まで行くが、昔は松明を運ぶ道中いろいろな人が応援してくれた。ご利益があると言って松明に触る人や運んでくれる人もいた。ありがたいことです」とこの日を迎える喜びを述べた。
松明講の森本講長は「講の役員が代わった。今日がデビューである。例年と同じように天気に恵まれて良かった。11時ごろ二月堂石段の下まで車で行き、それから石段を52段上って奉納する。住職と役員は本堂に、他の人は御香水を頂いて合流する」と調進の最後の手はずを話してくれた。「春を呼ぶ」行事といわれてきたが、今年に限っては「春になって」やっと調進する事になった。