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おきつも名張劇場「乱歩誕生」上演

adsホールで10月22日、おきつも名張劇場第25回公演「乱歩誕生」が上演された。乱歩の誕生は明治27(1894)年10月21日であり、それに最も近い日を公演日にした。中相作氏がこの劇団のために書き下ろした。
乱歩の父・平井繁男、母きく、祖母和佐の3人は名張市の横山家の借家に住んでいる。母きくは身重で臨月近い。時は日清戦争直後、清国のスパイがはいりこんでいるとして警察の取り締まりが厳しい。そんな中、横山家の主婦が知り合いの清国人女性を連れてきて、かくまうように平井一家に頼み込む。そこへ横山家の知人で探偵と称する明智小五郎がやって来る。前後して、横山家に有名な怪盗怪人二十面相から、家宝を頂戴するとの書状が届く。家宅捜索や、清国人スパイ捜索、春日神社の祭りなど騒然とした中で、10月21日男子が生まれる、乱歩誕生である。実は、怪人二十面相の書状は明智小五郎が持ち込んだもので、少年団を走り回らせたりしながら、怪人二十面相捜索に警察の注意を向け、清国人捜索の眼を逸らせるためのものだった。明智小五郎はまだ探偵ではなく、探偵にでもなってみようかな?と思っている状況で、清国人女性が無事、東京へ脱出できることを予測させて、祭囃子の音と共に劇が終わった。
怪人二十面相、明智小五郎、少年探偵団(ここでは少年団)の何れも江戸川乱歩が創作したキャラクターで、あたかも既に実在したかのように乱歩の誕生とリンクさせているのが興味深く、飽きさせないストーリとして、劇を楽しむことができた。なお、怪人二十面相役として前名張市長の亀井利克氏が出演し、北川裕之名張市長と中森博文県会議員が声の出演をしていた。当日は約300人の入場者が楽しんだ。
終演後、明智小五郎を演じた辻本秀一さんと平井繁男役の赤塚元さんは「皆さん仕事しながらなので、練習時間が少なかったにもかかわらず、協力し、補いながら、上手く進められたと思う。演出の萩森孝行さんも泣いています」と充足観を感じている様子であった。
萩森さんは、「できるだけ、みんなが自由に伸び伸び演技ができればと思ってやってきた。今後については11月の練習日に、みんなで話し合おうと思っている」と語っていた。(写真は前日リハーサルの風景)