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お水取りの松明を法要・伊賀一ノ井松明講

火と水による春を呼ぶ祈り、東大寺二月堂のお水取り(修二会)。ここで使われる松明を作り東大寺に納める一連の宗教行事を「松明調進行事」と言うが、途絶える事無く今年で774回目を迎えた。2月11日松明山にて伐採された松明を、いよいよ東大寺に運ぶにあたり、寄進し続ける事を遺言した道観長者の碑(道観塚)に報告し、調進成就を祈願する「調進法要」が3月10日、極楽寺(赤目町一ノ井)で行われた。
春を迎えた好天のもと、伊賀一ノ井松明講の人々を中心として、春を呼ぶ会、笠間の里を思う会など約50人が参加した。
午後1時、本堂にて中川拓進住職(53)による、二月堂の本尊で秘仏中の秘仏と言われる十一面観音のいわれなどを含めた興味深いお水取りの話と法要の後、約500㍍離れた道観塚に行列で松明を運んだ。山伏姿の金峰山寺優婆塞の亀本清芳氏(74)が、ホラ貝を鳴り響かせながら行列の先頭を歩き、塚に到着し法要が始まった。松明講の森本芳文講長(71)により、道観長者に、調進が安泰に進むことへの願いと、行事を永遠に続ける誓いの言葉が述べられた。再び行列で極楽寺に戻ると、時に勇壮に、時に悲痛なホラ貝の音と法要の交歓する、まさに神仏混淆の大護摩法要が営まれた。人々が願いを書いた非常にたくさんの護摩木が焚かれたが、記者も護摩木を進められ、ウクライナが頭をよぎったので「世界平和」と心を込めて書いた。思いは痛切である。
調進法要は午後3時頃終わった。本来なら12日に東大寺に向けて出発する予定であるが、今年はこコロナ禍のため、4月になってからトラックで運ぶ事になる予定だ。