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ミクロの世界に大興奮

「わっ!目ん玉みたい!ぶくぶく動いてる!」子どもたちの驚きの声が響く。覗いているのはメダカの卵。ぶくぶく動いているのは心臓。名張市教育センタ―の週末教育事業で6月11日、「顕微鏡で、ミクロの世界を見てみよう」が開催された。 事前に29人の児童の申し込みがあったが、抽選の結果この日参加したのは13人の小学生(3~6年)と同伴のお母さん6人。担当の先生は、教育専門員の吉住昌三さん。応援に4人の現役やOBの理科の先生方、そして名張市キッズサポータークラブの「数学大好き!」高校生のユッキーさん(高2)とクッチー君(高1)。
参加者には自分で見たいものを持ってきてもらった。身近にある塩、砂糖、胡椒、カボチャの葉、豆苗、野菜の葉類、ハムスターがかじった餌とかじってない餌、比奈知川の水、田んぼの水、ポッキーの箱等々好奇心の範囲は大きく広がっている。一方センターで用意したのは、メダカの卵、あおみどろ、ミジンコ2種類、カボチャの茎、ツユクサの葉、土筆(つくし)、花、多種の花粉や種に双眼実態顕微鏡。事前の準備の大変さが伺える。
観察の始めに、吉住先生から課題として①使い方をマスターしよう②色々な種類を探してみてみよう③道具は元通りに片付けようと行動目標の話があり、次に①観察の手順を間違えない②観察をするものは光を通すように薄いものに③倍率を上げると大きく見えるが、ピントは合わせにくくなる④観察物を変えるときはスライドガラスを新しく等、顕微鏡の使い方について説明があり、観測開始となった。
始めは顕微鏡の扱いに慣れるため、自分が持ってきたもので。カボチャの茎も、光を通すように薄く輪切りにするのは難しい。切ったものはドーナツ型の断面に水や養分が通る導管が並んで見え、植物の構造の学習になった。この後、豆苗の葉を見た山口実華さん(名張小4)は「ぶつぶつ細胞が並んで見えて面白い」と話してくれた。お母さんはポッキーの箱の表面を剥がして「ドットが並んで綺麗」と観察の幅を広げていた。
思わず驚くのは土筆の胞子で、小さな丸い本体から長い4本の足が出ていて、そっと息を吹きかけると、湿気を吸収して、くるくると縮む。そばに仲間がいると、絡み合ったり離れたりして、まるで生きている虫のようだ。応援の理科の先生の説明と、息の吹き方が分かりやすくて思わず歓声が上がった。
ミジンコは形も動きも面白くてはっと驚かせたりするが、顕微鏡が大好きな吉橋侑吾君(名張小3)は手慣れた感じでササっとスケッチをしていた。お母さんにミジンコを見せたいので早く来るように吉住先生に電話を頼んでいた。
次から次と興味のままに観察していると、あっと言う間に終わりの時間が来た。「ブクブク動いてる」とめだかの卵に驚いていた研矢聖成(とぎやせな)君(比奈知小4)と澄空(そら)君(同小6)の兄弟は、持ってきた川の水にメダカの卵とミジンコを入れてもらってこれからも観察を続けるとはりきっていた。
皆が片付けても吉橋君の顕微鏡はそのまま。解散近くになってお母さんが駆け込んできて、早速顕微鏡を覗き込んだ。「よかったなぁ!」吉住先生の言葉にみんなが安堵した。
吉住先生、応援の4人の先生方、そしてキッズサポートクラブのお兄さんとお姉さん。献身的で好奇心に満ちた指導があって、この週末授業が成り立っていると実感した。