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ミズベリング in 名張川

名張市の名張川新町河原階段ステージで10月20日、「ミズベリング in 名張川」が開催された。NPO地域と自然ちょいまる、名張かわまちづくり協議会、国土交通省木津川上流河川事務所の共催。大阪湾の源流、観阿弥創座の地、芸能の源流である名張川の河原で、川ヨガ、能、葦笛演奏を楽しんだ。
始めに名張市の中村岳彦副市長が「名張川は、奈良、京都を通って大阪湾に流れ込む、まさに水源のまちであり、名張の魅力を発信するこのような催しはとても大切」と挨拶して始まった。最初は、癒しの名張川で、癒しのヨガを考えた国土交通省木津川上流河川事務所職員の川上桂子さん他指導による「川ヨガ」。ヨガと言ってもストレッチを主体としたもので、幅広い年齢の人たちに水辺を親しんでもらうために考えたという。川のポーズ、葦(よし)のポーズでリラックスし呼吸を整える。サギのポーズで体幹を整え肩甲骨がすっきりする等徐々に動きが大きくなり、サンショウウオのポーズでしゃがんだり伸び上がったり、全11ポーズを2度繰り返し、土手で眺めていた人も参加して、参加者全員が身体が伸びてすっきり。なお「youtube川ヨガ」で検索すると動画を見ることができる。
2番目のステージは日本の芸能の源流である「能」。「能の元になる芸能に『猿楽』があったが、彼らは川原で芸を披露していた。ひょっとするとこの河原で観阿弥さんが座を立ち上げ、京に上って行ったかもしれない。僕らはこれからここで700年前を再現させてもらうのかも知れない」と語るのは「能を考える会」代表の山本勝巳さん。初めに能を舞うのは足立憲二さんによる「玄象(げんじょう)」。琵琶を究めるため渡唐しようとする名人・藤原師長に、渡唐を思い止まらせ、その後師長が日本で活躍する話。「西には文殊や召さるらん……」と謡いながらの舞。続いて足立淑絵さんによる「鶴亀」。玄宗皇帝の誕生日に1億人の国民がお祝いに来たので、それを喜んだ皇帝が、鶴と亀と一緒に舞ったという話。「月宮殿の白衣の袂……」と謡いながらの舞。3番目は山本さんによる「羽衣」。有名な羽衣伝説で、衣を返してもらったお礼に天女が舞う話。「富士の高嶺にかすかになりて、あまつ美空に霞まいりて失せにけり」。快晴の空、赤いじゅうたんの上で、700年前もこうだったのか?と思わせる端正で優美な3人の能の舞であった。
最後は「NPO地域としぜん」代表のちょいまるさんの葦笛演奏。名張川水辺の葦で自作した漆塗りの楽器で、最初は自作曲「田舎の風」をサポーターの横山さんと合奏。河原の風に溶け込んでなんとも居心地が良い。この河原で練習しているとカワセミや、川鵜やトンビが何度も飛んだという。2曲目は横山さんが携帯でアップロードした伴奏に合わせて「コンドルは飛んでいく」を独奏。最後の曲は「君が代」のアレンジなど日本の曲を、アップロードした太鼓の音に合わせて独奏。ちょいまるさんは「この河原に座っているといろんな鳥も飛ぶし魚も飛ぶ。体操も良いし、ジョギングも能も良い。皆さんそれぞれのミズベリングを楽しんで欲しい」と結んだ。  最後に木津川上流河川事務所の小寺秀治事務所長が、「ようやくこのようなイベントができるようになった。来年以降川幅を広げるので風景も変わるが、またイベントを楽しんでほしい」と挨拶をし、全員そろっての記念撮影でお開きとなった。
ちょいまるさんの葦笛の弟子で、奈良県橿原市から来た中井愛子さん(72)ら70代の女性4人組は「天気が良くて気持ちが良かった。川ヨガで背中がピンとなってすっきりしたし、能も良かった」と話していた。