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伊賀市・名張市 震災救助合同訓練

伊賀市・名張市消防連携・協力に関する協定に基づく、両市合同の訓練が5月18日行われた。訓練は震災において建物に閉じ込められた人を救出するため、実際の建物を使い鉄筋コンクリートの床や壁を破壊して、救助隊員が出入りするための開口部を設けるというもの。昨年1月、両市が連携協定を結んで以来、合同訓練は4回実施された。今回は5回目で、今年度初。この日の訓練は伊賀市7人、名張市8人、安全管理者や事務局を含めると伊賀市13人、名張市11人の合計24人が参加した。
訓練会場は、上野桑町の旧老人保健施設。移転のため現在は解体工事中で、このような訓練ができた。1階に閉じ込められた人の救助のため、2階の床に穴を空け、救助隊員が下りていく設定。救助活動は現場壁面に大きくマーキングすることから始まる。後から現場にやって来た他県や、警察、自衛隊などと情報共有するためだ。壁に赤色のスプレーで活動の開始と終了の日時、生存者数や行方不明者数、倒壊など危険情報(ガス漏れ、漏電、支柱が必要など)、居住者や近隣から得ている行方不明者の人数を記載する活動標示(マーキング)を実施した。その後、それまで記入した情報を大きな円で囲み、全行方不明者の救出完了を示す横線を円の中央を貫通して示して救助作業を終了した。
床に穴を開け救助
閉じ込められた人を救助するため床に穴を空ける訓練は、始めは伊賀、名張別々の場所で行い最後に共同で訓練を行った。救出隊員やストレッチャーが通るため、一辺が約90㌢の三角形を空けるのが目標。削岩機のようなロックドリルやコンクリートカッターを使っての作業。粉塵が煙のように濛々と上がり、年数を経た建物のコンクリートは固い。この場所のコンクリート床の厚みは19㌢。コンクリートに穴を空けると、鉄筋が縦横に走っていた。鉄筋をカットして正三角形の穴を開けて終了となる。この日は2チームのうち1チームは開口まで到達したが、1チームは途中までだった。建築解体等ではこういう仕事は通称「斫(はつ)り屋」と言う専門の職人が行う。消防隊員が行うのは大変だと思うが、それだけに日頃からこういう訓練をしておくのは大切なことだと思った。最後に、伊賀・名張隊員合同でロックドリルを使って開口し訓練を終了した。
伊賀消防署管理課長の藤生正樹さんは「音やほこりも含めて実際の建物で訓練できるのは大変貴重な経験であった。伊賀、名張お互いの知識や技術が共有出来て良かった」と話していた。