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名張の六地蔵・あなたの家の近くにも?

名張市郷土資料館(安部田、旧錦生小学校)で企画展「名張にある六地蔵」展が開催されている。
六地蔵とは、人は亡くなってから、あの世で生前の行いによって裁きを受け、六道(天道、人道、修羅道、餓鬼道、畜生道、地獄道)に生まれ変わってそれを輪廻するということから、六道のどこであっても救ってくれるのが六体のお地蔵さんであるという信仰からきている。
六体の地蔵が一枚の石に刻まれているのを「一石六地蔵」と呼び、殊に名張・伊賀に数が多い。その他、二石六地蔵、摩崖六地蔵、石幢型六地蔵等の種類がある。
この企画の基になったのは、谷戸実著「伊賀地域 石の地蔵 拓本集」。著者で名張金石文研究会の谷戸(65)さんは「三重県の石造物悉皆(しっかい)調査に一員として参加したとき、他の地域に比べて石像が多く、特に奈良に近い伊賀・名張には一石六地蔵の形が多いのが珍しいと気が付いた。そこで名張にある六地蔵を全て調査(拓本は市田真一氏と今西正己の協力を得ながら)しようと始めた」。
結果的には名張(40体)だけでは終わらず、伊賀市(60体)、宇陀市(10体)、山添村、奈良市、桜井市、天理市、美杉村にまで足を運んで調査し、その数は全部で128体に及んだ。調査は2018年の秋から開始、毎週水曜日に行い2年間程かかったという。
会場には、拓本現物3点が展示されている。その他六地蔵の由来や歴史的経過が展示され、名張にある六地蔵40か所それぞれの説明が、写真、拓本(縮尺)、場所と共に示されている。名張の人は、自分の住まいの近くの六地蔵を知ることが出来る。
資料館職員の高島正広(62)さんは「子供のころからずっとお寺にある六地蔵に挨拶し続けてきた」と地元のお地蔵さんへの親しみを話し「皆さんもこの展示を見られて、家の近くの六地蔵を見に行かれてはいかが」と話していた。
当展示会は6月26日迄で午前9時30分~午後4時30分、月・木曜日が休館。お問い合わせ先は、名張郷土資料館(0595・64・7800)まで。