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名張市薦生で大型遺跡・奈良時代の役所跡か

県埋蔵文化財センターは、名張市の薦生遺跡(縄文時代~中世)の発掘現場から約1300年前の奈良時代の役所跡とみられる掘立柱建物跡などを確認したと発表し7月31日、現地説明会を開催した。 場所は名張市薦生の県道奈良︱名張線の名張と美旗方面の分岐点であり、古文書には薦生牧(平安時代)、薦生庄(こもおのしょう・鎌倉時代)の名前が残されている。 調査の結果、奈良時代のものとみられる掘立柱建物4棟を確認。柱穴は一辺約1~1・2㍍で、うち1棟は古代の役所「官衙(かんが)」に用いられる「長舎」という形式の建物とみられ、東西約30㍍南北6㍍以上と推定。 同センター調査研究1課の小濵学課長によると、長舎形式の建物が確認されたことで①律令制下で地方に置かれた郡の役所「郡衙(ぐんが)」②平安時代中期の文献で名前が見られる「薦生牧(こもおのまき)」(牛馬を育てる牧場)に関わる役所③律令制下の交通制度「駅制」に関する役所、のいずれかの可能性が推測されるとも。 今回の調査では、約800年前のものとみられる中世の小規模な掘立柱建物跡3棟も確認された。鎌倉時代の文献に見られる薦生庄の実態を知る上で貴重だという。 遺跡発掘調査は県道上笠間八幡名張線の改良工事に伴い、約1400平方㍍の範囲で、今月末まで行う予定で進められている。