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春は大作を伸び伸びと 名張市美術作家協 第31回春季展

名張市美術作家協会(板野和郎会長)の第31回春季展が3月9日~12日イオン名張店(元町)のリバーナホールで開かれた。毎年春と秋の2回発表会を開催しており、出展したのは60代~90歳直前までの12人。今回は50~100号の大作が多く、宮里美代子さんの「家族の青春」(80号)や佐藤好美さんの「公園でギターを弾く女」(100号)が眼を引いた。絵を眺める人々も、待ち遠しかった春を迎え、伸び伸びとした気分で鑑賞していた。
落水保之さん(77)の「軍艦島」(50号)は現地に5回足を運んだ力作で、朽ちていく石炭選別装置のリアリティが胸を打った。板野会長(72)の「雨上がりの須賀利」(50号)は、海辺の町の甍(いらか)の風景を上からとらえたもので、瓦屋根の所々に塩を吹いた描写が、心を落ち着かせた。大橋健作さん(89)の「大花火」(70号)は明るく快活できっぱりとした作品で、年齢を感じさせない作品だった。
板野会長は「どう表現すれば良いのか、常に考え、時に迷う」と言っていたが、当協会の作品は何れも自分の作風が出来上がっていて、精進を重ねてきた年輪と安定感、そしてチャレンジを忘れない若さが素晴らしい。
最高齢の杉本禮子さん(89)は植物やヌードを明るい作風で描いているが、4月には90歳を迎えるとのこと。記念して「卒寿記念『杉本禮子個展』を今回と同じリバーナホールで開く。期日は4月14日~16日。
年齢を感じることなく努力を継続する、当美術作家協会の秋季展に期待したい。