1. HOME
  2. 今週のトピックス
  3. 赤目四十八滝 竹あかりの滝まつり

Topics

トピックス

赤目四十八滝 竹あかりの滝まつり

冬枯れに、若い力が花を咲かせる
名張市の名勝・赤目四十八滝渓谷周辺の旅館やカフェの若手経営者たちが集まって企画した「竹あかりの滝まつり」(主催・実行委員会、共催・赤目渓谷保勝会他)が1月16日、赤目自然歴史博物館を中心に開催された。
1年で一番寒い時期の冬の赤目はいつもは人影を見ない。ところが博物館の前に立って驚いた。たくさんの家族連れで大変賑わっているのだ。
冬期は休んでいる事の多い渓谷周辺の土産物店や飲食店に加え、キッチンカーも数件出店し、散策とグルメの楽しみでお出迎え。博物館の2階では、雑貨、アクセサリー、手作りショップ等々14店が集ったマルシェが華やかな雰囲気を演出し、1階では、竹ぽっくり作り、竹あかり、竹のおもちゃなどの体験教室がひらかれた。竹雑貨のお店では、竹あかり、アクセサリー、昆虫の販売。カフェではホットドリンクの提供でほっと一息。地下階では子ども達が手裏剣修行で楽しそうな歓声をあげていた。
日本サンショウウオセンターで、子ども達とサンショウウオの身体測定をしているのは、名張市職員で、環境省環境カウンセラーの川内彬宏さん(36)。恐る恐る手を伸ばす子どもたちに「こんにゃくのような感じだよ」「両生類だからカエルと同じようなものなので、全然大丈夫だよ」とやさしく声をかけていた。
例年、冬の赤目四十八滝は閑散としているが、昨年からは「竹あかり」による渓谷照明で、コロナ禍にもかかわらず、観光客は増加している。今年は1月末まで「幽玄の竹あかり」(共催・名張市、市エコツーリズム推進協議会)が催されている。今回の「滝まつり」とコラボして、今までの冬にない活気を創り出せればと、渓谷周辺に住む子育て中の20~30代の若手経営者たち5人により、実行委員会ができたのが昨年10月。委員の一人で博物館の1階でカフェ「とまりぎ」を営む伊藤千江子さん(38)は「はたしてイベントに効果があるのか、寒いなか人は来てくれるのか、ドキドキハラハラしていたが、本当に良かった」と話し、また「へこきまんじゅう」で有名な玉置屋の玉置智也さん(40)と妹の藤澤友圭子さん(30)は「計画の時、冬は絶対お客さんが来ないので、自分達若い世代5人で、子どもたちが来るイベントを考えようと立ち上げた。下を向いてばかりいないで、やらんとね!」と力強く語ってくれた。
若い世代の発想・企画に、博物館は全面協力し、地域の人々も協力して、若い家族連れが散策する風景が出来て、まつりは大いに盛り上がっていた。1日限りのイベントではあったが、起こした波紋は大きかったのではないだろうか。