「新人秘書」にオオサンショウウオ
国の天然記念物に指定され地元の川に生息している、オオサンショウウオについて北川裕之名張市長が「オオサンショウウオが生息する水源のまちをPRしたい」と市教育委員会に指示。純血種のオオサンショウウオは移動が禁止されているので、許可の要らない交雑種を市役所に展示することを提案した。最初は多くの人の目に触れる1階を考えたが、人が多過ぎて照明も明るく安全上も問題なので、2階秘書室受付で展示が決まり5月9日、水槽を設置した。
展示しているのは、チュウゴクオオサンショウウオと在来種との交雑種。体長50・5㌢、体重760㌘。市職員で、環境省環境カウンセラーの川内彬宏さん(37)が2021年8月、同市の阿清水川(あしょうずがわ)で捕獲し、郷土資料館(阿部田)で保護飼育しているうちの1頭。体長50・5㌢の両生類と聞くと、親しみにくい姿をイメージするが、目の前にいるのはキュートで可愛い生物だ。あまり動かないが、見ていて飽きがこない。
水槽の横に川内さん手製の2枚の説明パネルがある。肉食で夜行性、見た目に反して小食で数か月間何も食べずに生きることができる。日本の純血種は昭和27年特別天然記念物に指摘された。昭和40年中国から食用で輸入されたものが野生化して在来種との交雑が進行している。名張市では2013年から交雑種を隔離する取り組みを進めている、という説明が書かれている。
川内さんによると餌は週1回程度、アジの切り身を与えるという。年齢不明で、捕獲されてから1年8か月ほど経過しているが、その間体長が約2㌢伸びたという。