名張市立病院 初企画!「ザ☆なつまつり」開催
名張市立病院が8月24日、食物アレルギーの子供たちとその家族に、夏祭りの屋台を思う存分楽しんでもらおうとイベントを開催。普段はアレルギーがあり、外での飲食を楽しめない子供たちのために、すべて食物アレルギーに対応したものが用意された。
病院入り口や玄関ホール周辺には、たこ焼き、フランクフルト、フライドポテト、ポップコーン、かき氷の屋台が並び、子供たちも家族も安心して楽しんだ。当病院を受診している子供たち約50家族170人が来場し。
アレルゲンの特定原材料8品目(えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生)はすべて不使用で、たこ焼きは、小麦粉の代わりに米粉、片栗粉を使用。出汁で溶くと米粉は沈殿しやすく焦げやすいが、温度に気を付け時間をかけて焼いた。たこアレルギーの子にはたこを入れないものを提供。フランクフルトは添加物のないものを選んで仕入れ、フライドポテト(冷凍)は、ブドウ糖(小麦粉)不使用のものを使用した。
卵アレルギーの3歳の男児の父親(31)は「卵は何にでも入っているので、外では安心できない。特に屋台は成分表なんか無いので。今日は安心して何でも食べさせられる。ありがたい」と話し、小学6年の長男(11)と小学4年の長女(9)、幼稚園年長組の次女(5)と来た母親(33)は、「長女が牛乳とトウモロコシのアレルギーで、一緒にお祭りに行っても、アレルギーのない2人に辛抱させるのか、アレルギーの長女に辛抱させるのか、子供たちに辛い思いをさせるので、そのようなところに出かけられなくなった。今日は遠慮なく3人が同じものを食べられるので、本当に嬉しい」と喜んでいた。2歳と4歳の男児の母親は「2人とも、卵、小麦、牛乳、バナナ、ピーナッツ等々色々アレルギーがあり、外には出かけられない。今日は本当に安心できる」と安どの表情。小麦アレルギーの小学2年の男児(7)は「たこ焼きってこんなに美味しかったんだ!」と感激の様子。このほか子供たちはピアノ演奏会や、輪投げ、ヨーヨー釣り、バルーンアートなどを大いに楽しんだ。
小児科の小林穂高医師によると「昨年岡山でアレルギーフェスタがあった時に、このような試みがあり、自分たちもやってみようと考えた。まず管理栄養士の松本さんらに相談し、今年の初めごろから準備を始めた。結果的に、医師、看護師、技師ら色々な職種の人々約40人でこのような形にまとまった。生協からアレルギー対応のソーセージやソース、シロップなど用意してもらい、アレルゲン8品目に入っていなくても、たこ焼きのたこや、お米などにアレルギーの子もいるので、救急対応も考えて準備をした。協賛金や機器の貸し出し、ボランティアさんのお世話にもなった」と、背景にあったはずの苦労を感じさせない口調で経緯を話した。管理栄養士の松本優子さんは「安心して家族みんなで気兼ねなく屋台を楽しんでもらえるように考えた。実はコロナ以降、病院の職場間の交流も少なくなっていた。今回のイベントで、色々な職種が関わって交流が持てたのも、良い効果だったと思う」と2重の成果をにこやかに話していた。