川嶋守彦 個展「みみずの一日」
5月1日から 堤側庵ギャラリーで
堤側庵ギャラリー(新田)では、川嶋守彦個展「みみずの一日」を開催する。
川嶋さんは1968年京都市生まれ、京都市在住の美術家。京都や大阪など関西を拠点に個展を開催している。現代アートの作家として大変将来を嘱望されている一人だ。
以下は川嶋さんが本個展にあたってのコメント。
絵画はキャンバスや紙、板等の支持体に直接、絵の具やその他の描画材によって描かれるのが通常です。しかし、私の作品は少し制作方法が異なり、画布に直接描くのではなくてビニールシート上にアクリル絵の具で描きます。その後、糊を塗布してキャンバスに貼り付け、ビニールシートだけをはがしますが、描画面に糊を塗って貼り付けるので図像は反転します。絵の具の塗り重ねがあるとき、最初に描いた部分は最前面に、最後は最背面になります。ビニールシートの描画層はキャンバスより大きいサイズなので、どの部分を選んで貼り付けるかが作品の構図を決めています。この作業を繰り返し、色彩の薄い層を何層も貼り重ねていきます。今展のタイトルの「みみず」は、この制作スタイルから選びました。画面の表層と表層下から見ているものの視線の違い、画面を挟んで鑑賞者と制作者が対峙している。ただ手を動かし、身体性を優先した意識的にではない描画形態。その画面を編集して別の画像に変容させる様が、目の無いミミズが落ち葉や砂を体内に取り込んで土に変えていく彼らの日々の行動に似ているように感じています。
人知れず可視化されない土中で盲目の生活者。彼らに、もし視覚が付与されたら、その網膜に映し出される世界はみみずの脳内にどのような像を結ぶのだろう。
開催期間は5月1日から同月10日まで。時間は11時から18時(最終日は16時まで)。お問い合わせは堤側庵ギャラリー(中内さん)、電話65・3002まで。