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あじさい寺・弥勒寺 1200株が咲き誇る

名張市西田原の弥勒寺では、青、白、紫、ピンクなど色とりどりに彩られたアジサイが見頃を迎えている。6月23日には「あじさい祭り」が開かれ民謡、尺八、歌謡曲のステージなどが訪れた人々の五感を楽しませた。
同寺には国指定重要文化財の「木造十一面観音立像」、「木造聖観音立像」、県指定文化財の「木造薬師如来立像」、「木造弥勒如来」、三重県指定文化財の「木造薬師如来坐像」、「木造弥勒如来坐像」、名張市指定文化財の「木造役行者倚像」などが安置されており、間近に拝観することができる。何れも等身大であり、この地域に重要な文化財がこれほど集まっていることが不思議とされている。檀家総代の家里英夫さんは「天正伊賀の乱(1581年)の織田信長軍の焼き討ちを恐れて、寺宝を守る一心で人々が山間に隠して難を逃れたのであろう」と話している。
家里さんによると、境内や裏山には20年程前から約80軒の檀家の皆さんがアジサイを植え始め、草刈り、施肥、剪定、植替えなどを行ってきた。現在は1210株、約30種類のアジサイが咲き誇り「あじさい寺」と呼ばれるようになった。珍しい品種では、ぶどうの房のような形に白い花が集まっている「カシワバアジサイ」や、鉢植えで深紅の花をつけた「パリジェンヌ」。来年はカシワバアジサイの近くに、パリジェンヌを地植えにして人々を迎えるようにするという。
アジサイの写真を、多方向の角度から写していた永田明美さん(東田原)は「お花が好きで、色々な写真を撮ってコレクションしています。メナード青山にも、カモミールやラベンダーの花を見に行きました。今日は雨上がりで特にアジサイが美しく、露の水玉が花びらに光っている写真に挑戦中です」と楽しそうに話してくれた。
アジサイは7月中頃まで楽しめる。見頃のピーク時は入園料200円が必要。本堂の拝観料は500円。