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どんど焼き 平和の炎舞い上がれ
名張市美旗中村農村公園で9日、新春「どんど焼き」が行われた。当地区で360年以上前から続くとされ、もともと子どもたちの正月行事であった。彼らは早々から各戸を回り、青竹と藁を集め、青竹12本と中心にやや太めの竹1本を縄で束ね円錐形の小屋を建てる。この小屋を藁で葺き円形のかまくらを作る。高さは15㍍、かまくらの直径は3㍍以上になる、小正月の朝にかけて行われる子供たちの火祭りである。しかし少子化で子供会だけでは運営ができなくなり、平成17(2005)年に中村区で「美旗中村どんど保存会」を立ち上げ、後世に継承することになった。
今年のどんどは高さ19㍍になり、上部に藁で作った馬が釣り下げられている。下部のかまくらには前年のお札や正月飾りがぎっしり入れられた。毎年地区で募集する標語から今年は「どんど焼き 平和の炎舞い上がれ」「ブラボー中村 どんど焼き」が掲示された。
この日は快晴で微風。午前7時から近くの大福寺住職による「撥遣の作法」でお札へのお礼の祈りが捧げられ、どんどに火が入れられた。炎と煙が見上げる高さにごうごうと燃え上がり、歓声に包まれる。やがて火が収まると人々は約2㍍の長さの竹棒に餅を刺して焼いていた。これを食べると1年間病知らずになると言う。家に持って帰って家族みんなで小豆粥にする人も多い。
近所に住む福永昌子さん(85)はひ孫の瑛利花ちゃんを膝に抱きながら「19歳8か月で伊賀の比自岐から嫁入りしてきた。毎年この祭りを楽しみにしている。孫、子と3代の夫婦が揃って健康なのも、この餅を食べているおかげ」と話してくれた。
保存会の高波英彦会長は「今回はこれまでで一番背が高かった。祈りが届きコロナも戦争も終わって欲しい。この行事はこれからもずっと末永く続けて行く」と話していた。