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アジサイの道1000㍍ 伊賀市「みのっち保全会」
伊賀市真泥の国道163号線、真泥橋から南に約1000㍍に亘り約400株のアジサイが、色も種類も大きさも様々に道路沿いに育ち、豊かな田園風景を彩っている。アジサイの植樹と保護活動を続けているのは「みのっち保全会」の人々で、この道路を「みのっちアジサイロード」と名付け、草刈り、剪定、水やり、肥料など管理を続け大切に育てている。
農水省の多面的機能支払い交付を受け、10数年前からアジサイ植樹を始めたが、地元の子どもたちが「みどろ」のことを「みのっち」と呼んでいたのに因み「みのっち保全会」と名付けた。アジサイの世話をしている中良孝さん(76)によると「『真泥』の地名は、大昔この辺りは古琵琶湖の水底だったから」という。貴重な話を聞かせてもらった。
コロナ禍で3年間開けなかった「アジサイ祭り」を昨年復活し、今年も16日に開催した。催しはアジサイの鑑賞、アジサイの挿し木教室、コースター作り、栞つくり、子どもたちにはお菓子のつかみ取り等。また来訪者に「みのっちうどん」と焼き椎茸、朝から餅つきをした餡入りのよもぎ餅が振る舞われた。車椅子で来た近くのグループホームの利用者らが10数人、久しぶりの外出を楽しんでいた。祭りと言ってもお囃子や太鼓等の賑やかなものでなく、一面の田園風景の中アジサイを愛で、ふるまいを味わい、親しい人や久しぶりの人どうし会話を楽しみ、穏やかな時間を過ごすもの。
実はアジサイの開花が少々遅れ気味で、咲き誇るところまで至っていなかった。世話係の中さんは「伊賀地方全体にアジサイの育ちが悪いと聞いている。うちだけではないらしいが、原因を知りたい。遅れているだけなのか、これ迄なのか。今まで油粕を肥料にしていたが、リン酸肥料が必要なのか……しかし化学肥料は使いたくない」と、アジサイの世話に心配は尽きない模様。
同会会長の東健一さん(71)は「本当は子供たちの住む村であって欲しい。団塊の世代は元気なので、子どもたちが祭りに集まって盛り上げてくれると有難い。今日はグループホームの人々が来てくれたが、多面的機能支払いの手前、この祭りで福祉、学校など、地域の人々が関わり合って喜んでくれるのは嬉しいことだ」と穏やかに話していた。