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丈六ボタル鑑賞会 赤目市民センター

赤目市民センター主催で6月15日、ホタル観賞会があった。講師はホタルの守り人・吉岡正夫さん(73)。50歳の頃、このまま人生を終えるのは寂しいと考えていると、目の前をホタルが明滅しながら飛んだ「そうだ、昔のようにホタルが飛び交う名張にしよう」と考えた。しかし、どうすれば良いか分からないので、片っ端から本を読み漁った。ある時、滋賀大学の教授の教えを受けることになり、生き物の保全は「エサ」にあると確信。以来、ホタルのエサであるカワニナの生育に努めているという。
川にカワニナを放流すればホタルは生育する。カワニナは購入することはできるが、バケツ1杯2万円ぐらいするので現実的ではない。田や池、水路などの自然な環境で、カワニナの生育に努めている。「ホタルを増やすことはカワニナを増やすこと」と言いながら持参したバケツ半分ほどのカワニナを見せ、参加者は珍しそうにバケツを覗きこんでいた。ホタルは養殖しても、奇形が増えたりして上手くいかない。川の環境を良くして自然の中で増やすのに限ると教えてくれた。因みにホタルの幼虫がカワニナを食べる時は、巻貝なので蓋の隙間から消化液を注入し、どろどろのゼリー状にして吸い取るらしい。1つのカワニナに何匹もの幼虫が群がって吸い尽くすようだ。
小雨が降る午後8時頃、赤目丈六の滝川の堰堤に行った。すぐに葉影に光るホタルが目についた。川面に飛ぶホタルは、光が川に映って数が2倍に見えた。丁度雨が上がって抜群のホタル観測会になった。
参加者は38人で内25人ほどは赤目町外の人で、大阪や奈良からも来ていた。奈良県香芝市から来た親子は「たくさんのホタルが見れて感激した。ホタルを増やすのは、ホタルそのものを増やすのではなく、エサを増やす話も勉強になった。遠くから来てよかった」と感激していた。
藤永和生センター長(72)は「今日はたくさんのホタルを見て頂けて本当に良かった。遠くから来た人も喜んでいた。地域を知ってもらい口コミ等で丈六ボタルが広まれば、尚ありがたい」と観測会の成功を喜んでいた。