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上野天神祭 秋晴れの本祭に15万人
国の重要無形民俗文化財に指定され、ユネスコの無形文化遺産に登録されている伊賀市の「上野天神祭のダンジリ行事」の神幸祭(本祭)が10月20日、前夜までの雨と打って変わった秋晴れの城下町で繰り広げられ、多くの人出で賑わった。
早朝より準備し、上野車坂町の御旅所を出発した2基の神輿行列に続き、青年会神輿、子供神輿、女神輿や稚児行列が続いた。いよいよ鬼行列となり、高さ6㍍の大御幣を先頭に役行者が現れ、後ろには人気者のひょろつき鬼が登場。鐘を背負い斧を肩に、酔っぱらったようにふらつきながら沿道の子供たちに寄って行く。「わー!」「ギャー!」と子供は泣き叫び、大人は笑う。ようやく役行者列が過ぎたと思うと、独特の手足を大きく振る歩き方の鎮西八郎為朝列が登場。ここにも鬼がいて、子供たちは再び泣き叫ぶ。4町による鬼行列の練り歩きの後には、9基のダンジリ(楼車)が福居町の「三明」を先頭に続いた。彫刻や刺繍に飾られたダンジリは美しく、笛や太鼓、鉦などお囃子が演奏され、雅な数百年の歴史が街並みを進んだ。
名張市美旗から来た会社員の大畑真一さん(38)は、3歳の男児を抱きながら「斧を持った鬼さんに、この子を泣かせてもらいました。ギャン泣きして良かったです。元気に育ってほしいです。町の歴史と伝統と文化をいっぱい感じさせるいい祭りですね」と感心していた。
商工会議所によると今年の人出は、18日3千人、19日2万人、20日15万人で合計17万3千人。昨年より2万人ほど少ないが、19日の宵宮が雨で中止になった影響が大きいという。ちなみに昨年の宵宮は6万人、本宮は13万人であった。