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今年も盛況 春を呼ぶえべっさん

商売繁盛を願う名張の風物詩「八日戎」が2月7日宵祭り、8日本祭として鍛冶町の蛭子神社で行われた。300年以上続くと言われるこの祭りは奈良や京都、滋賀など遠方からも参拝者が訪れる。昔はこの地で山の幸と海の幸が物々交換された名残で、祭りの賑わいの中にハマグリやアサリの屋台も見かけられる。
多くの参拝者が、ネコヤナギの枝に小判や米俵などの縁起物を飾り付けた「吉兆(けっきょ)」や、福をかき集める熊手を求めにお参りに来る。それに応えて6人の福娘が「ようお参り!」と声を掛けながら手渡すと、空気が華やかになり、景気が良くなるような気がする。吉兆を受け取った中野宏彦さん(93・夏見)は、「名張で生まれ育った。毎年欠かさず吉兆を受け取っている。これをもらわないと年が明けた気がしない。これからハマグリを買いに行く」と言ったが、足取りもしっかりしていた。着物姿で吉兆を受け取った山上眞(まき)さん(33・希央台)は、「今年の2月に希央台4番町に『ShinYamagamiアンティーク着物ミュージアム』をオープンした。利用してくださる人が増えることを、一生懸命お願いしました」と和やかに話していた。
7日の宵祭りでは、午後1時から神社前の小公園で、えびす汁(ハマグリ入り粕汁)約500人分が振る舞われたが、2時過ぎには捌けてしまう大賑わい。3時過ぎ境内では、地元保存会による七福神の舞が奉納され、人々が期待する目出度い空気が溢れた。
やなせ宿でも
八日戎に合わせ、新町のやなせ宿(旧細川邸)でも「八日戎祭りinやなせ宿」が催され、甘酒の振る舞いや中蔵では「平成の古民家」建築展が開かれた。座敷では茶道裏千家准教授の廣瀬宗幸・宗司さん夫妻(73)による「肩のこらないお抹茶教室」が開かれた。お抹茶教室は普段は年配の人が多いが、この日は、伊賀市から武保晴大君(上野南小3)と妹の蕗ちゃん(年長組)、三澤帆希ちゃん(青山小3)と妹の陽彩ちゃん(年長組)とお母さん、そして名張から親子2人(匿名希望)の7人が弟子入り。「こども園まきば」の仲良し組がそろって兄や姉と母親を連れてやってきたとのこと。茶筅、茶杓を教えてもらっていると、晴大君が茶杓の形を「スキー板みたい」と言ったのが子どもらしい発想。茶筅を使ってそれぞれ一生懸命手を動かし上手に泡だった。晴大君が「苦いけど美味しい」と話すと、めったに無い幼い生徒を前に、師匠2人は終始にこにこと上機嫌であった。