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名張の観光振興策発表 追手門学院大学生

名張市の地域資源を活用した、観光による地域活性化について考えフィールドワークを重ねてきた、追手門学院大学(大阪府)地域創造学部の安本宗春講師によるゼミの学生ら9人が1月29日、同市で研究の成果を市幹部らに発表・提案した。
安本ゼミは、昨年7月1・2日、8月18・19日、10月21・22日の3回、6日間に亘り名張市を訪れフィールドワークを重ねてきた。その間に赤目四十八滝の視察や竹林見学、竹あかりSDGsプロジェクト、竹あかりワークショップに幽玄の竹あかり、また市内散策も行い、3回目には竹による遊具・玩具を手作りし、赤目自然歴史博物館前で親子連れ観光客相手に、縁日風のイベントも実践してきた。それらを通じて名張の現状や強み・弱みを把握したという。
発表では着目する観光課題として、地域資源のブランド力強化、20~30歳代をターゲットに若者を取り込み、現地でしか名張の魅力が伝わらない現状を上げ、その解決方法として「名張と言えば『○○なまち』のイメージを定着させる」「若者に向け新たな土産品を開発する」「名張に来る前から名張の楽しみを届ける」と、地域資源、お土産、情報発信を課題とした。
日本酒デビューのまちなばりを提案
具体的な課題解決として大阪・名古屋圏に住む20~30歳代に、特別な体験や思い出を提供する。大阪、名古屋からのアクセスの良さ、地元の魅力を再発見して、地域交流でリピートに繋げる。若者の多くは日本酒に馴染んでいない。そこで着目したのが市内に在る複数の酒蔵とその地酒。豊富な自然やグルメと組みわせた観光宿泊プランの「日本酒デビューのまちなばり」として日本酒醸造所巡り、赤目滝巡り、フルーツ狩り巡りと組み合わせた日本酒デビューを提案した。加えて、日本酒醸造体験ツアーとして、春は酒米の田植え、夏は品質管理体験、秋は酒米の収穫体験、冬は醸造体験を提案。また「和菓子の上品な甘みは、昔から日本酒の肴として相性が良い」として和菓子屋巡りも提案。初めは大吟醸をそのまま飲む、次は収穫したフルーツを入れて飲む、その次は和菓子を肴に飲む、と3通りの飲み方を楽しむ宿泊プランを提案。「日本酒をカクテル風に楽しむ日本酒デビューは、知識も習得して、大切な時間になる」と説明した。
また、日本酒にイチゴやぶどうをドライフルーツにしたものに炭酸水を加えたカップ酒風の「隠テル(カクテル)」と名付けた土産物を提案。ラベルも工夫してラベルで中身が「隠れテル」と「隠(なばり)」をネーミングに活用したという。
一方、若い世代が見たくなるInstagramで情報発信し、名張に来る前に20~30代に現地の楽しみ方が分かるためのInstagramの改造計画も発表。若い世代が同世代に発信する情報が良くうかがえた発表だった。
山下光彦産業部長が「素晴らしい。名張の経済を回すのに、是非この提案を使わせて頂きたい」と感謝の言葉を述べていた。