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名張市伊賀市 中高層建物火災対応訓練

伊賀市・名張市消防連携・協力による中高層建物火災対応訓練が9月25日、名張市消防本部(鴻之台)で行われた。この合同訓練は、中高層建物(4階以上)火災発生時に、伊賀市・名張市消防相互応援協定に基づき相互に応援出動する際、両市が協同し安全かつ円滑に活動が実施できるよう、技術の向上と強い連携、相乗効果が発揮できることが目的。
訓練はまず、伊賀市消防本部に導入された長さ8・3㍍、幅2・5㍍、高さ3・7㍍の新はしご車の、諸元や性能の説明から始まった。ハシゴの高さは21㍍で7階建ての建物に対応。ハシゴの折り畳み形状はシグマ(Σ)型のため水平に12・8㍍の作業半径を得ることができる。車幅が狭く消防活動の時、車を固定するアウトリガーの幅も狭いため、名張の旧町の道路にも入ることができ、建物を避けて作業ができる。またΣ型のハシゴは、旧町の屋根の上を跨いで活動でき、ハシゴ最上部にあるバスケットの放水ノズルから、本対後部の消火栓受け入れ口迄ホースが繋がっているので、消火栓からホースをつなげば直ぐ消火活動に入る事ができる。バスケットは左右に約60度ずつ合計約120度回転することができ、カメラが付いているので、無人でも火災の状況を見ることができ放水できる。地上からは見えない現場の状況を確認できる等、最新式の装備となっている。一方名張の消防車は、ハシゴは真っ直ぐ伸びる形だが、35㍍の長さがあるので10階建ての建物火災迄対応できるのが、伊賀の新型に比べての利点。それぞれの機能に合わせ伊賀から、名張から火災対応することができる。
この日の訓練は、建物の4階と5階から火災が発生し、4階と屋上に取り残された人が1人ずついるので救助する想定で行われた。4階の火災は伊賀市消防本部が、5階の火災と屋上避難者の救助は名張消防本部が担当し、それぞれのハシゴ車が出動した。白煙を上げる火災現場に消防車がハシゴを伸ばして放水消火し、その後、4階と屋上の避難者をハシゴ先端のバスケットに収容し、訓練は終了。
名張消防本部消防指令の宮阪昇さんは、「伊賀と名張の消防車を2台並べて機能分担の理解や、違う形の消防車の効果や特性も分かった。限られた装備でお互いに協力し、応援・支援しあう際の、様々な事が確認できた訓練だった」と成果を話した。
伊賀市・名張市消防に関する協定書の災害時相互応援協定による合同訓練は、昨年4回行われ今年はこの訓練が4回目。この日の訓練参加者は名張消防署14人、伊賀消防署10人の合計24人であった。