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名月の光を浴びて 秋風・鈴虫コンサート

翌日の中秋の名月を前に9月16日、名張市青蓮寺の多宝山地蔵院で「観月の夕べ 秋風・鈴虫コンサート」が開催された。この催しは平成17年から開催し、コロナで2年間のブランクはあったが、今年で17回目となる。折しも月光が会場に降り注ぎ、約150人の聴衆は、歌と踊りを大いに楽しんだ。
プログラムの第1部は「月に願いを~平和な世界へのダンス~」のタイトルでベリーダンスとインスピレーションダンスが演じられた。田中紀子さんのピアノ伴奏で踊ったのは山田久美子さん。「荒城の月」で始まり、即興曲を3曲とピアノ演奏のみを2曲、併せて6曲を披露。世界最古の舞踊と言われるベリーダンスだが、時に現代風に、時に清楚に、そして時に艶やかに、月光を浴びて軽やかに舞っていた。
第2部は「日本民謡と日本舞踊」。歌と演奏は日本民謡和泉会。会主は設立者・和泉善聖(よしまさ)さんで、三重県より文化功労賞を、名張ユネスコ協会から「名張の宝物」として認証を受けている。この日は善聖さんはじめ三味線4人(1人は小学6年生)。太鼓1人。歌は善聖さんと他2人。踊り(立方)は壽扇流壽扇会の2人、および小学6年生1人。合計10人が熟練の邦楽を披露した。 曲目は、歌と踊りのはいった「淡海節」(滋賀)で始まり、「津軽甚句」(青森)、小学6年生の久保田さよさんによる日本舞踊「花の兄」、「秋田人形甚句」(秋田)、善聖さんの歌が入る「よさこい節」(高知)、ひょうきんな2人の踊りが入った「おてもやん」(熊本)と耳に馴染んだ民謡が続いた。最後は、和泉善聖さん編曲「ソウルソーラン節」。4人の津軽三味線曲弾きによる圧巻の演奏は大きな拍手を受けてお開きとなった。なお題名のソウルは「魂」のこと。心地よい日本民謡の数々に聴衆は時間の過ぎるのも忘れて、聞き入っていた。
この後、ブドウ、ハチミツ、いちじく等が当たる抽選会を楽しみ、人々は家路についた。
百合が丘から来た女性(79)は「毎年楽しみに来ている。今回は月がきれいで晴れてよかった。姪の子がベリーダンスをやっていて見るのが楽しかった。和泉会の人たちはいつも上手だ。来年も来れるように元気で頑張る」と満足そう。
耕野住職は「身近なところで、このような音楽や舞を楽しんでいただける機会を作ることができるのも、日頃からの皆さんの協力のおかげでありがたい。ことのほか熱い夏だったが何とか乗り越え、今日、秋の気配の風を感じながら、楽しんでいただけたなら、本当に良かったと思う」と安どの様子で話していた。