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弥生式土器作りにチャレンジ 第2回親子で学ぼう「なばり学教室」
弥生式土器を親子で作る三重県埋蔵文化財センター出前講座「土器を作ろう~ドキドキ大昔のくらし体験~」が10月6日、名張市郷土資料館(安部田)で行われた。市内の小学生9人、保護者9人、及び幼児1人の9組の親子が参加した。
三重県埋蔵文化財センターの中川明さんと、西村昌晃さんが講師を務め、主催者の市教育センターからは学校ボランティア室の上谷典秀さん、谷戸実さん、廣岡定之さんが協力した。
はじめに中川さんが、主に煮炊きに使った縄文式土器の説明をし、続いて弥生式土器の話をした。弥生式土器には煮炊きに使う=甕、貯蔵に使う=壺、お供えや飾りに使う=高坏の3種類がある。「弥生式土器には模様がなく、あっても簡単な刷毛模様のようなものだった。それは早くたくさん作ろうとしたから。今日は弥生式土器の甕を作ります。その前に、なぜ弥生式というか知っていますか?」と問いかけた。「それは、東京都本郷の弥生町から発見されたからです」と謂れを披露した。
続いて西村さんから土器作りの解説。「今から作る甕の大きさは直径約15㌢、高さ約15㌢、少し小さめです。先ず初めに直径5㌢位の底を作ります」作業スタートでみんなが粘土だんごを作り、掌でぎゅっと押さえつけると直径5㌢厚さ1・5㌢位の底ができた。それから直径1センチ程の粘土ひもを作り、底の上縁にぐるりと乗せ、外側は指で上から下に、中側は下から上に粘土を伸ばして隙間を埋め1段目完成。3段目までは外側に広がるよう、粘土ひもぐるりを繰り返し指で隙間を埋めた。粘土ひもぐるりを幾度も繰り返し、胴のふくらみを付けたり、少しすぼめたりしてだんだん形ができてきた。指や竹べらで粘土の隙間を埋めて、最後に平べったい粘土きしめんを作って上縁に回すと甕らしくなった。その間、子供たちの周りを5人の先生方は常に巡回し、一生懸命児童らを助けていた。一通り形になると、竹べらや竹串、フォーク状の道具で模様を付けた。ほぼ甕の形になっているが、中には深鉢のようなものもある。ところが穴を穿ったり深めの線を入れて力強い模様が描かれると、この深鉢は元気なアートになっていた。子どものセンスは素晴らしい、焼き上がりが今から楽しみだ。
つつじが丘小学校5年生の小松葵さんと、1年生の柚月さん姉妹は「思い通りできた。全然しんどくなかった。楽しかった」と話し、母親の小百合さんは「親子で一緒に物づくりが出来たのが、ありがたかったし楽しい時間でした」と喜んでいた。
完成した土器は、郷土資料館で約1か月乾燥させ、11月17日に当資料館の外部にある広場で「覆い焼き」にする。最近の学説ではこの焼き方が正しいらしく、初の試みにワクワクしている。