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心を奮い立たせる大合唱 名張市小中学校音楽会

名張市教育委員会主催の「令和6年度名張市小中学校音楽会(中学校の部)が11月8日、adsホール(松崎町)で行われた。音楽活動を通して豊かな情操を育み学校間の親睦を図り、日頃の音楽の成果を鑑賞し合うのが主旨。演奏に先立ち西山嘉一教育長が「約680人集まった。今日は自信をもって、友達を信じて歌ってください、合唱を楽しんでください」と励ました。
この日は名張市立中学校5校の3年生679人が練習の成果を発揮した。各校2曲、指揮者とピアニスト(どちらも生徒)が曲目毎に交代。1番目は桔梗が丘中学校168人。曲は「群青」、「春に」。2番目は赤目中学校120人。曲は「絆」、「マイウエイ」。3番目は北中学校113人。曲は「予感」、「手紙~拝啓十五の君へ」。4番目は名張中学校170人。曲は「旅立ちの時~AsianDreamSong~」、「友~旅立ちの時~」。5番目は南中学校108人。曲は「空は今」、「あなたへー旅立ちに寄せるメッセージ」。最後に全体合唱「大切なもの」で大きく盛り上がって終わった。
最初に桔梗が丘中学生が歌った「群青」は東日本大震災の日、南相馬市立小高中学校の1年生で、106人在校していた学年の仲間が2人津波で亡くなり、校区が原発事故警戒区域になったため散り散りになり、仮設の校舎に残った6、7人の生徒が、遠くに離れた友を思いながら作詞したものを、音楽の小田美樹先生が構成して作曲、2013年の卒業間近に完成した曲。同年3月に京都府長岡京市で行われた、震災復興支援コンサート「ハーモニー・フォー・ジャパン2013」で、卒業する3年生を中心に結成された小高中学校特設合唱団が小田先生の指揮で歌い大きな反響があった。記者もその日、偶然にも会場にいて感銘を受けたのを思い出した。この曲はその後、作曲家・信長貴富が編曲し全国に広まり、今回の桔梗が丘中学生はオリジナルのバージョンで合唱を披露。
中学生になると合唱も声部に分かれ、ハーモニーやフーガも楽しめるようになる。どの学校も歌う楽しさ、ハモる楽しさがいっぱい感じられた。女声と男声とハーモニーすることに「憧れ」のような晴れやかさがあり、のびのびと音楽を楽しんでいた。特に最後の679人による全体合唱「大切なもの」は、全員がのびのびと声を出し、歌う喜びで一つとなって迫力に満ちていた。
最後に北中学校の野田朋憲校長が「全体合唱、本当に良かった。迫力ある歌声で会場が一体になった。感動した。各学校の歌はそれぞれ特長が出ていた。それぞれの合唱の質が違うからこそ、皆さんが学び合う合唱であった。それぞれの学校の合唱が本当に素晴らしかった。また皆さんが他校の歌をしっかり認め合い鑑賞する姿がうかがえた。今日のこの音楽会というとても良い思い出を大切にして、残り少ない学校生活を、今度はそれぞれの進路に向けて頑張ってほしい」と講評した。