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日本画家·津田親重さん 入交家に襖絵寄贈
名張市在住の日本画家・津田親重さん(71)が、伊賀市の武家屋敷・県指定有形文化財の入交家(いりまじりけ)住宅(上野相生町)に、2023年から2年間にわたり描いてきた襖絵作品が全て完成し12月14日、伊賀市に寄贈され完成披露展が15日まで行われた。
津田さんは兵庫県洲本市に生まれ、1978年日展に初入選し、1980年名張市に転居して日本画の創作に取り組んできた。2023年には三重県文化賞「文化功労賞」を受賞した。津田さんは2022、23、24年と同住宅で「季節のうつろい一章~三章」の作品展をしているが、22年に初めて訪れたとき、閑散として殺風景な武家屋敷に、せめて襖に絵でもあればと思わずにはいられなくなり、この度の襖絵寄贈となった。まず1年掛けて描いた「昇龍」「白藤の滝」「月」「しだれ桜」の4作品を贈った。23年秋から「伊賀上野城」「伊賀越え」「伊賀富士」「牡丹」の4作品を描き、8作品22面の襖絵が完成。
「伊賀上野城」は色々な角度から写生を重ねたが「ついに腹をくくってこの威風堂々の構図に向き合った」という。「昇龍」は、美しい虹が描かれており「白藤の滝にて岩の上に、一日座って写生をしていると虹が現れた。美の神のご褒美でした」と語った。「伊賀越え」は御斎(おとぎ)峠からの眺望で「徳川家康が本能寺の変の際に越えたといわれる峠だが、峠を越えて伊賀の景色に出会った安堵感と、むかし琵琶湖があったことを彷彿とさせる風景になれば」と伊賀盆地が描かれている。
稲森稔尚伊賀市長から感謝状を受けた津田さんは「県文化財に襖絵を描いたのは最高の栄誉。画歴50年画家冥利に尽きます」と嬉しそうに話し、解説しながら部屋を順に案内していた。
襖絵は2月下旬まで展示されており、火曜と年末年始は休館。入館料は大人300円、小中高生100円。