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昔の生活・今の原点 名張市郷土資料館で昔の生活用具展示

名張市安部田の市郷土資料館で企画展示「昔の生活用具~今につながる昔の道具~」展が3月16日まで開かれている。明治時代から、生活様式が変った昭和の時代までの、名張で使われていた生活道具が展示されている。展示は火吹き竹と竈(かまど)から始まる。七輪、電気コンロ、置きこたつ、行火(あんか)、電気行火、湯たんぽと昔の生活道具が並ぶが、今の物とはデザインや機能がまるで異なっている。しかし用途は同じで、昔は最先端だった。毛羽取り、座繰(ざぐり)機、綿繰り、糸車、糸枠がまとまって展示してあるのをみると、名張でも養蚕の盛んな時期があったことが偲ばれる。盥(たらい)と洗濯板、番傘、足踏み式ミシン、回転式チャンネル切り替えの白黒テレビを見て、会場の中央に目を向けると卓袱台(ちゃぶだい)に古い新聞が載っている。その横には衣類が入った行李がある。後期高齢者にとっては、一連の展示は子どもの頃の日常に他ならない。レコードやソノシートと共に手回し式蓄音機があり、蔵持町から来たTさん(82)は、「夏休みには子どもたちが朝6時に集ってラジオ体操をした。手回し式蓄音機でラジオ体操のSPレコードを掛けた。途中でゼンマイが緩んで、音楽がふやふや~ふや~となって皆で笑ったことを思い出す」と愉快そうに話していた。
今年2025年は昭和100年にあたる。約50種類80点の展示品は、名張の人たちの寄贈品。小中学校のふるさと学習「なばり学」では、小学校3年生の授業で「むかしのくらし」を学習する。若い世代の担任の先生達はテレビでしか見ないレトロな世界を現前にして何を思うか、児童達はどのような世界を感じるのか、話を聞いてみたい気がする。ダイヤル式黒電話には使い方が解説してあった。まるで世代をつなぐ解説のように。