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昔の田植えを体験 蔵持小学校の5年生

名張市立蔵持小学校の5年生21人が5月8日、田植え体験をした。担任の角出隆成先生に引率されてやってきたのは、田中豊成さんの800平方㍍ほどの広い田んぼ。その一角を区切った約55平方㍍の田んぼで児童らが田植えをし、お米を育てる学習をするもの。
講師の坪田正弘さん(67・芝出)が、お米の入ったコップを見せたあと、苗を1本持って示し「お米1粒が芽を出して、この苗になります。これで400~500粒のお米が出来ます。1粒が500粒になると思うとお得やねえ。ごはん1膳分のお米は苗3本分ぐらいです」とお米つくりの利点について話した。続いて「今は機械で植えてるけれど60年前はこの様にしていました」と言いながら「まくり」と呼ばれる三角柱の形をした田植え用定規を使って、稲を植えて見せた。
いくつかの班に分かれ横1列に並びながら、入れ代わり立ち代わりの田植え実習が始まった。裸足で田んぼに入ると、ニュルッとして足を取られバランスが取れなくなる。ワーワー、キャーキャーと大騒ぎの児童たち。「まくり」の代わりに田んぼの両端で、シュロのロープを持ったボランティアさん2人が真っ直ぐにロープを張る。ロープには約30㌢毎に赤い目印がつけてある。こどもたちがロープの前に並んで、印の場所に苗を植える。一通り終えると2回目以降は、こぞって田んぼに入って上手に植えていく。田んぼの中にボチャンとはまった児童が4人、その泥を落としてあげている児童が幾人も。児童らの順応の速さや優しさに触れた情景だった。
田植えが終わると坪田さんが「蔵持小学校5年生の稲作学習田。田植えの日5月8日。稲の種類コシヒカリ」と書いた高さ1㍍ほどのプラカードを田んぼの中に立てた。「稲が育って背がどんどん高くなります。看板の高さと稲の高さがどうなっていくか、時々見に来てください。田んぼに足を入れてニュルニュルした感じは、今の農家の人には分かりません。それを皆さんは感じてくれました。ドボンとはまった人は、風邪をひかないように学校に帰ったら直ぐ、着替えてくださいね」と気遣った。
「秋になったらコシヒカリでおにぎりを作りましょう。30㌔ぐらい採れると思います」という坪田さんや10人ほどのボランティアに、児童らは声を揃えて「ありがとうございました!」とお礼を言い「楽しかった。上手に植えられるようになった。田んぼの中はプニュプニュして気持ちよかった」と北野勝也君が元気よく話してくれた。
角田先生が「時々見学に来て教えてもらったり、どんな案山子を作ろうかとか、これから子どもたちと楽しみながら考えていきます」と話してくれた。