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来場者数3000人に adsホール映画上映会

adsホール(名張市松崎町)が企画する映画上映会は、2022年9月の「ドライブ・マイカー」を皮切りに、8月25日の「星屑の町」まで2年間で10回の上映会を行った。合計の来場者は3000人を超えた。
adsホールでは、常設の映画館の無い伊賀地域で映画文化の振興を目的に、映画上映会を継続してきた。当地域に最も近い映画館は奈良県橿原市にあり、県内では津までいかねばならない。リピーターは60~70代の女性が多く「映画館は遠いので、できれば月1回」の要望もある。上映作品の決定は「話題にならなかったが評価の高かったもの」「映画館では見られなくなったもの」「上映会ごとのアンケート」など、色々な角度から決定しているという。「お陰さまで多くの方に来て頂いた。これからも『見てよかった』と言っていただける作品を選び、大きな画面で映画を見る喜びを提供し続けるよう努力していきたい」と担当の冨森康太郎さん(22)は話している。
「トキワ荘の青春」
次回11回目は28日、市川準監督・本木雅弘主演による「トキワ荘の青春」。1996年公開のデジタルリマスター版。
時は1950年代、日本人みんなが這い上がろうと頑張っていた昭和時代。舞台は東京都豊島区椎名町にあったアパート「トキワ荘」。そのアパートには手塚治虫が住み、全国から漫画家志望の若者たちが集まっていた。寺田ヒロオ(本木雅弘)をリーダーに新漫画党を結成するなど、食べるものに困るほどの貧乏暮らしの中でも情熱を持ち続け励ましあっていた。しかし時とともに、売れっ子になった石ノ森章太郎、藤子不二雄はトキワ荘を出ていき、なかなか芽が出なくてもがく赤塚不二夫、森安直哉……。自分が描きたい漫画と雑誌編集者が要求する商業主義の狭間で苦悩する寺田ヒロオなど状況は変わっていく。
主演の本木雅弘以外のキャストは、当時無名に近かった自主上演・小劇場の関係者が起用された。無名集団から多くの人気作家が出たトキワ荘をなぞるようだ。主演以外の主な出演者は、安孫子素雄(藤子不二雄Ⓐ)・鈴木卓爾、藤本弘(藤子・F・不二雄)・阿部サダヲ、石ノ森章太郎・さとうこうじ、赤塚不二夫・大森嘉之、森安直哉・古田新太、手塚治虫・北村想、つのだじろう・翁華栄、つげ義春・土屋良太、水野英子・松梨智子、藤本の母・桃井かおり。「映画制作時無名で、今ブレイクしている人たちの演技を見るだけでも十分価値がある」と冨森さんは誘っている。
上映は開場が午前10時、開演は10時30分。入場料は前売券900円(当日券1000円)。プレイガイドは、名張市がadsホール(0595・64・3478)、伊賀市が岡森書店白鳳店(0595・23・8800)。お問い合わせ先はadsホールまで。