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松明調進に先立ち「調進法要」

奈良東大寺の修二会(お水取り)に使われる松明は、2月11日に切り出され5荷10束にまとめられ、3月12日に東大寺に運ばれた。
それに先立ち、二月堂に松明を送り続けることを遺言した道観長者の碑(道観塚)に報告と、無事に奈良に届けられることを祈願する「調進法要」が10日、極楽寺(赤目町一ノ井)で営まれた。穏やかな春の好天の下、東大寺二月堂院主の筒井寛昭長老(78)等を迎え、伊賀一ノ井松明講(森本芳文講長・74)の人々を中心に、春を呼ぶ会、名張青年会議所の会員など約50人が参列した。
極楽寺本堂にて、中川拓真住職(56)が道観長者の位牌を前に法要の後、午後1時約500㍍離れた道観塚に松明を運んだ。金峯山寺優婆塞の山伏姿の亀本清芳さん(77)が法螺貝を鳴り響かせながら先頭を歩む。貝の音が辺りに木霊(こだま)する。塚に到着して法要の始めに森本講長が、道観長者に誓いの言葉を述べた。「本日松明調進法要を行うにあたり、道観長者すなわち聖玄と言われる貴殿に誓いの言葉を申し上げる。貴殿が松明を調進し続けるよう遺言されてから777年、今日までその言い伝えを守り続けてきた。今年も貴殿にお供えした松明樹は樹齢百十数年を超える立派なヒノキより作成した」と語りかけ、昨年から近鉄電車の協力により臨時列車で多くの市民と共に12日に二月堂に調進し運ぶことを報告。「今後ともこの一ノ井の里に、また名張の地が未来永劫安泰に栄えるよう守ることを願い、貴殿の遺言を守り、松明調進を続けることを誓う」と述べて祭文を閉じた。
塚前の法要が終わり極楽寺に戻ると、法螺貝と法要の声の交換する大護摩法要が営まれた。「家内安全」「無病息災」「世界平和」「諸願成就」「無事赤ちゃんが生まれますように」等々、色々な願いが書かれた多くの護摩木が次々と焚かれた。護摩法要の最後に森本講長が「12日の調進は、自分たちがやっていることに、誇りを持って楽しんでいきましょう」と挨拶した。
森本講長が「道観長者すなわち聖玄と言われる貴殿」と語りかけたのを聞き、10年ほど前、前任の極楽寺住職に「道観長者と聖玄上人が同一人物の可能性」について触れた時「聖玄なんて私は知らない。伝説の中の道観だけを信じて、松明調進行事を純粋に守っている」と言っていた。道観長者の真実については断言できないことが多いらしいが「以前の住職も面白い人だったな」そんなことを、ふと思い出した。