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松明調進行事列車ツアー 今年も臨時列車で奈良に直行

東大寺・二月堂のお水取り(修二会)に使われる松明は3月12日、第777回松明調進として東大寺二月堂に運ばれた。今年は2年続いて近畿日本鉄道が、赤目口駅から奈良駅まで直行する臨時列車を用意し「松明調進行事列車ツアー」として運行した。
県の無形文化財の行事でもあり、一見勝之三重県知事も早朝に営まれた極楽寺の法要に参加。正岡子規の「水取りや 杉の梢の 天狗星」を取り上げ「天狗星というのは流れ星のことで、お水取りでばーっと散って見える松明のこと。777回という長い年月、松明を伝えてきた名張の方々の気持ちと連帯を思う」と挨拶した。
赤目口駅ホームに臨時列車が到着し「お水取り松明調進」のヘッドマークに「貸し切り」の表示、中央の窓には令和7年777回の表示もある4両連結。5荷10束の松明が運び込まれ、講の人々やツアー客が乗り込んだ。
近鉄電車によると、乗車したのはツアー客66人、松明講55人、名張市関係12人の計133人。東京、大阪、千葉、奈良、三重(伊賀・名張以外)と広範囲だが、半数以上が名張・伊賀からの参加。松阪から参加した2人の女性は「昨年も参加した。昨年知ったのが、お水取りが名張で支えられていること。今年も参加できて幸せ」と話した。車内では極楽寺の中川拓真住職が「お水取りと松明講」について話した。なぜお水取りというか、道観長者と僧正玄、松明と松明講など、詳しく分りやすい説明にツアー客らは大きな拍手をした。東京から来た鉄道マニアを自認する自営業の男性(58)は「ツアーは近鉄のホームページで見ていたし、鉄道関連のSNSでも知っていた。松明調進は知っていたが、名張から送っているのは知らなかった。行商の人と乗客が同じ車両を利用する、近鉄の昔からのシステムを知っていたので、松明を鉄道で送ると言っても不思議とは思わない。ツアーは松明と名張を広く知らせるのに良いことだと思う。確定申告が早い目に終わったので、来ることが出来た」と言って笑った。列車は西大寺駅を過ぎ、高の原駅まで進んでスイッチバックする。珍しい光景に、外では鉄道マニアが並んでカメラを向けていた。
松明講の人々に松明を列車で運ぶこと、講の後継者問題について話しを聞いた。「講が高齢化しているから列車の方が楽」「第800回は、昔のように峠を越えて奈良に、というのはあるかも知れない」と「徒歩で奈良へはあるかも知れない」の意見が会ったが、後継者については「それが大きな問題」「東大寺を支えている講は40あったのが20に減っているという。うちだけでなく国中の問題」とこちらは困難な問題だ。
女性も積極的に松明を担ぐ
終点「奈良駅」に近づくと荷(か)を担ぐ希望者に、申し込み方法の放送があった。駅からは東大寺仁王門をくぐり、大仏殿前で曲がり二月堂に至るコースを、交代しながら進んだ。約35㌔の重さがあるが、女性も積極的に加わっていた。奈良から来た女性(52)は「重かった。でも天気が良くて、何か良いことが起こりそうで気持ちが良かった」と話した。
最後の急な階段を頑張って5荷10束の松明は無事二月堂に安置された。松明講の人々はこの日の夜~翌朝4時に、昨年納めた松明が使われる、お水取りのクライマックス「韃靼(だったん)の妙法」に立ち会うとのこと。
昨年の松明調進は、雨が降りしきっていた。そんな中で1句詠ってくれた俳人の弓場あす華さん(64)に今年も会えた。「今年は天気が良くて、3回も舁(か)つがせてもらいました。松明は仏さまからの恵みのように感じました。「晴れて舁く 籠松明の 檜の香」と詠った。その後、二月堂に収まった松明を見て「五荷を据え 読経の堂宇 春匂う」と詠い「これにします」と元気に話していた。