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災害後のまちづくりを考える 市職員が復興事前準備研修

名張市が巨大地震に遭遇したとし、被災後の復興まちづくりを考えながら、災害復興への備えとして事前に準備を体験する「令和5年度事前復興まちづくり演習」が2月2日、名張市防災センターで行われた。三重県と三重大学が共同で設立した「みえ防災・減災センター」が主催し、名張市職員ら28人が参加した。奇しくも能登半島地震から1か月、現実的な問題として真剣な議論が交わされた。
参加者は各班7人の4班に分かれ、三重県県土整備部都市政策課の担当が各班に配置され、名張市は都市整備部が各班に2人、上下水道部、福祉子ども部、産業部農林資源室、環境対策室、市長直轄の危機管理室、総合企画政策室、広報シティプロモーション推進室及び名張消防署、農業委員会と、非常時に市の将来を考える各部署から参加していた。
演習の始めに、三重大学大学院工学研究科建築学専攻の三宅諭教授による「東日本大震災から学ぶ事前復興まちづくりの意義」のミニ講演があり「災害が起きてからではなく、平時から災害後の将来を見据えておくことが大切」と話しがあった。
「午前5時46分に巨大地震発生」を想定して「被災後の復興手順やまちづくりの将来像を考えてみる」模擬演習が始まった。この演習では発災後2か月(~半年)程度のうち、特に重要な建築制限を中心に行った。復興のプロセス図を作成、災害があった時の土地区画整理事業のため、必要と認める区域を指定。被災後2か月まで建築の制限や禁止をする「第一次建築制限」。次に、被災後2か月~2年まで「被災市街地復興推進地域」において建築等を制限する「第二次建築制限」について作図し、あるべき街の姿を想定し発表した。
ある班は、家屋被害状況調査の順序を決めるのに「古い建築物が集中する名張地区(旧町)と想定震度の大きい新田地区」から調査を始め、10班20人が6日間で名張市全域・約3万戸を調査する計画をした。
続いて被災した旧町と近鉄名張駅西側のまちづくりを考えた。旧町は「ひやわい」と呼ばれる細い路地が多いが「この際、災害に強いまちづくりのため大胆な区画整理を行って、災害に強いまちに変えるべき」しかし「歴史的景観の初瀬街道は守りたい」や「将来の人口減少に対応するため、多目的な大きな広場を設けては」等、様々な意見が出された。復興後の姿を白地図に記入して、4班がそれぞれ発表した。
福祉子ども部地域包括支援センターの柴垣維乃さん(49)は「ともすれば、まちづくりを福祉の面から考えがちであったが、1つの部署だけで考えるのではなく、今日のように都市計画を色々な角度からシミュレーションするのも大切だと感じた」と今回の意義を話していた。