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狂言や仕舞熱演 第15回名張子ども伝統芸能祭り

adsホール(松崎町)で3月1日「名張子ども伝統芸能まつり」(名張市観阿弥顕彰会主催)が開かれ、市内の5団体と奈良県明日香村からゲスト出演の1団体が、日頃の学びと練習の成果を披露した。
「観阿弥創座の地」名張で伝統文化の保存や発展の為、日頃から活動している子どもたちが一堂に会して発表する催しで、今年で15回目。出演したのは、伝統文化こども舞踊教室▽名張子ども狂言の会▽名張音頭保存会こどもの部▽明日香村伝承芸能保存会・八雲琴こども教室▽名張・こども仕舞教室実行委員会▽名張こども能楽囃子教室の6団体。
冒頭、北川裕之名張市長が会場にいる青少年に向けて「名張は観阿弥創座の地。本日、この色々な伝統芸能に触れて、自分もやってみようと思うきっかけになれば」と挨拶した。
「伝統文化こども舞踊教室(つつじが丘教室)」は、若柳流の日本舞踊を端唄「伊勢音頭」に合わせ2人が長唄「松の緑」に合わせ、1人が良く練習した艶やかな踊りを披露した。▽「名張子ども狂言の会」は1991(平成3)年4月、観阿弥創座の地の小波田地区に結成され、大蔵流狂言師の茂山七五三(しめ)、宗彦(もとひこ)両氏の指導を受けて練習に励んでいる。毎年、観阿弥ふるさと公園で開催の「観阿弥祭」等に出演。今年は岡田文化財団創立45周年記念式典、記念事業の出演も決まっている。この日は小学生による狂言「清水」と10人の連吟「泰山府君」が演じられた。「清水」は茶会に使う水を汲みに行くよう命じられた太郎冠者が、汲みにいくのが面倒なので途中で鬼が出たと言い、水桶を置いたまま帰ってきてしまう。主人が水桶を取り戻しに行くと、先回りした太郎冠者が鬼の面を被って主人を脅すが……。長い台詞回しの熱演に大きな拍手が送られた。▽「名張音頭保存会こどもの部」は、保存会の子どもの部として2009年に結成された。この日は新名張節、名張小唄、名張音頭を大人達の歌と尺八に合わせ、子どもによる三味線、太鼓と4人の舞で、練習の成果を披露した。
明日香村からゲスト出演
「明日香村伝承芸能保存会・八雲琴こども教室」八雲琴は二絃琴とも言い、古事記にも記されている天の詔琴(ぬごと)を発祥として江戸後期に全国に広まったとされている。飛鳥寺長老・山本震琴師により保存伝承されたものを、「明日香村伝承芸能保存会・飛鳥の響保存会」が受け継ぎ、子ども教室で伝統芸能として指導している。年6回奈良県立万葉文化館で定期演奏している。この日は小学2年生から大学生まで7人が「菅掻六段曲」、万葉集の志貴皇子の歌を歌いながら「明日香風」、雅楽の「春の弥生」を歌いながら万葉時代を思い起こさせる雅な音楽を奏で、多くの拍手を受けた。
「名張・こども仕舞教室実行委員会」は観阿弥創座の地として、その文化を継承するため、「名張地区まちづくり協議会」と「能を考える会」が立ち上げたもの。観世流の上野朝義、朝彦両氏の指導を受けて毎年秋に宇流冨志禰神社で発表会をしている。この日は4人が、連吟「高砂」、仕舞「合浦(がっぽ)」「老松」を披露し、熱心な拍手を受けていた。▽最後は「名張こども能楽囃子教室」で、森田流の笛連管で「高砂八段之舞」が披露され、2人が気の合った演奏を繰り広げた。