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被爆体験伝承者の講話を聴く なばりピースメッセンジャー

「なばりピースメッセンジャー」は、名張市立5中学校からなる代表生徒各2名(計10名)で、戦争や平和をテーマに年間5回の学習会や交流を通し、学び感じたことについて、12月の人権週間記念行事「ふれ愛コンサート」で市民に発信する予定になっている。その第2回学習会が8月2日行われた。この日は第1部が「被爆体験伝承者」の峠(たお)朱美さん(73)の講話、第2部が交流会であった。
第1部の講話をする峠さんは、被ばく体験者の國重昌弘さん(昭和6年生まれ)の話を受け継ぎ、次世代に伝える「被爆体験伝承者」。2013年に國重さんに初めて会い、2016年に伝承者としてデビューした。
國重さんら県立広島二中の1、2年生は、空襲で家が密集して延焼するのを防ぐため、民家を取り壊す(建物疎開)勤労動員に従事していた。8月6日は練兵場の芋畑の草刈りに動員されていた。昨日迄の建物疎開は1年生が従事していた。國重さんら250人が整列しているとB29が上空に現れ、光るものが2、3個見えた(後で原爆投下観測用のパラシュートであることが分かった)。記憶はそこまでで、気が付いた時は畑の中になぎ倒され、旧友の顔がどの顔もねずみ色。埃で汚れたかと思って触ると、皮がズルっと剥けた。友達が國重さんに「お前の方がもっとひどいぞ」と言うので、そっと頬にさわると皮が垂れ下がった。
それから國重さんが家にたどり着くまでの描写や、身代わりのように全滅した1年生への哀惜の思い、公園、川原、校庭が全て火葬場になった話、被爆者であることを隠し続けた峠さんの祖父のことなどが話され、10名のピースメッセンジャーは固唾を飲んで話を聴いていた。
講話後の中学生たちは「戦争や原爆の話は聞いていたけれど、昔のことで他人事のように思っていた。自分たちと同じ年頃の子どもたちが、毎日のように建物を壊さなくてはいけない生活をしていたとか、実際にあった事をこんなに詳しく聞けて、戦争はこれ以上起きてはいけないと心から思った」や「今の自分たちとは全然違う生活があったことに気付けた。もっと勉強して、平和について皆に伝えていきたい」等々の感想を話し、峠さんは喜んでいた。第2部の交流会では、各学校での取り組み、各自の平和や戦争についての思いを話し合った。
次回の第3回学習会は、18日名張市産業振興センター・アスピアで開かれる。「平和のつどい」でのメッセージ報告と展示見学。平和活動している人々との懇談会が予定されている。