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車椅子で楽しむ幽玄の竹あかり 赤目渓谷バリアフリー化の試み

大小2千本余の竹あかりが渓谷を彩る赤目渓谷の「幽玄の竹あかり」を車椅子でも楽しめるように、赤目四十八滝渓谷保勝会(以下、保勝会)が散策路の整備をした。名張市地域力創造アドバイザーで伊勢志摩バリアフリーツアーセンター所長の中村元理事長(赤目滝水族館の企画者)は、昨年のアドバイザー就任以降、赤目滝集客のターゲットに高齢者や身障者を考え、散策路のバリアフリー(以下BF)化を勧めていた。
保勝会は、BF観光で三重県内に実績を重ねている伊勢志摩BFセンター指導の下、転落防止のため手すりの無い橋に、車椅子の車輪のストッパー用のガードを取り付けるなど整備を行ってきた。11月25日、伊勢志摩BFセンター専門員の玉川敬子さん(47)が実証モニターとして赤目渓谷を訪れた。サポートは同BFセンター・シニアマネージャーの中村千恵さん(61)。使用した車椅子は前輪1輪で後輪2輪の3輪バギータイプ「快適AQURO(アクロ)」。前輪は太いタイヤのオフロード仕様。
中村さんに車椅子を押されて散策路を下り、水族館に入った。赤目の生物の解説を受けた後渓谷に入り、一面に広がる光の世界を楽しんだ。安心して渡れるようになった橋を進みながら「きらきら、きらきら光がきれい。水の音が素敵」と玉川さんが話す。渓谷の岩を削った散策路であるから凹凸のある山道であるが、アクロは快適に辿っていく。渓谷の空気と竹あかりが放つ優しい光を身体いっぱいに受けるように、玉川さんが両手を広げて伸びをした。車椅子が行けるのは不動滝に登る階段の手前、霊蛇滝までだが渓谷の雰囲気を十分楽しんだようだ。
「車椅子で、こんな世界を楽しめることを、みんなが知ってくれたら嬉しい」と玉川さんが話し、中村さんと2人で「3点支持の3輪バギーは、安定感があり振動が吸収されて良かった」と話していた。保勝会は貸し出し用に、アクロを3台発注済みで1月中旬に届くという。渓谷散策も車椅子も、実証ツアーは大成功だった。
保勝会と名張市は三重県と共に、BFで不動滝までのアクセスを計画中という。保勝会事務局長の玖村健史さんは「こんなに喜んでもらえて嬉しい。アクロも思った以上に悪路に適している。色々な方に幅広く滝に親しんで頂きたい」と手応えを語った。
幽玄の竹あかりは1月5日までの土日祝(12月28~1月2日休業)。日本最大級のクリスマスツリー点灯を21・22日開催の予定。