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伊賀市 春を呼ぶ「修正会」 3年ぶりに練り込みも

伊賀市島ヶ原の観菩提寺(菅生和光住職)の正月堂で2月11日、春を呼ぶ行事として知られる「修正会(しゅしょうえ)」の「大餅会式」が行われた。7つの講の講員らが円柱状の5段の大きな餅、藁をシュロで巻き、ニンジンの角、ミカンの目、大根の耳、栗で口や鼻を形どった「鬼頭」、桜の枝に春に飛んでくる夫婦燕に見立てた「成り花」などの供物(節句盛)を手に本堂に練り込んだ。
くじ引きで決めた順に従い各講は、10数人の講員の「エトー、エトー」の威勢のいい掛け声とともに、本堂に練り込む。持ち込んだ供物を秘仏の本尊の十一面観音の前に並べると、「居眠り観音」と言われる本尊の目を覚まさせるために、講員らは床を踏み鳴らして大きな声で数え歌を歌う。無事供物が並ぶと万歳三唱で喜びを分かちあってお供えを締めくくった。県の無形文化財に指定されているこの行事は、ここ2年はコロナ禍のため、練り込みは中止し、規模を縮小して行われていた。
約1300年の歴史のあるこの行事は、奈良東大寺二月堂のお水取り(修二会)に先駆けて行われ、正月堂の修正会が発祥の地と言われている。練り込みに参加した人は「この日のために遠くから村に戻ってくる人もいる。来年は福餅まきも復活し、伝統を守っていきたい」と話していた。