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上野高校「みらいプロジェクト」発表会
高校生が考える地域課題解決
三重県立上野高校(吉田淳校長)では、授業の一環として「地域を支え、地域の発展に貢献する人材育成」をテーマに、「みらい学」を行ってきた。高校生が地域の課題について、実験や調査等を行う研究を通して、解決に向けての方策を見つけ出す取り組みで、2月6日2年生の8グループから研究の成果が発表された。 「伊賀市における福祉制度と少子高齢化の現状」をテーマにした組では、高齢化率の高い地域の特徴について市の担当者から聞き取りを行い、子育て世代の流出が多い現状を把握、互いに支えあう「地域共生社会」の実現が重要であると指摘した。また、「自然環境」をテーマにした組では、寒暖差の大きい伊賀の気候が山梨県甲府市と似ているので、糖度の高いブドウの栽培に適しているとの発表もあった。「忍者の食」の研究を行った6人のグループでは、忍者の保存食として知られる「兵糧丸」を栄養食品として、スポーツ成績向上や疲労回復につながると考えた。その検証のため、6人が食前食後に2キロマラソンを走りタイムを計測すると、「兵糧丸」食後の方が上がったとの報告があり、見学の1・2年生から驚きの声があがった。代表の光本陽人さんは「初めて兵糧丸を作った。走るのが苦手だったが、これを食べるとタイムがよくなったので、嬉しかった。こういった勉強は初めてだったけど、楽しくできた」と笑顔で話した。コメンテーターからは「仮説の設定は面白い。研究方法や分析などの精度をあげていくことが求められる。伊賀忍者の秘伝書「萬川集海」をぜひ読んでほしい」とアドバイスがあった。 吉田淳校長は「研究内容や発表資料の見やすさなどは大きく成長した。ただ、コロナ禍のため、意見の発表や交換する機会が少なくプレゼンテーション力に物足りなさを感じる」と話した。しかし、こうした高校生の発想や意欲、行動力、探究心は、地域の活性化が課題となっているこの地方において、見通しの明るさを思わせる。今後に期待したい。