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名張ロータリークラブ 創立60周年記念式典を開催
名張ロータリークラブ創立60周年記念式典祝賀会が5月20日、名張産業振興センターアスピアで行われた。的場敏訓会長の開会点鐘のあと、出席者102人全員で君が代とロータリーソング・奉仕の理想を歌って式典が始まった。亀井喜久雄60周年実行委員長は「1963年東京オリンピックの前年に当クラブは発足した。高度経済成長と共に当クラブも発展してきた。60周年の今年は2つのことができた。1つは『音楽を通じて名張市民を元気に』という的場会長の熱い思いで、3月に渡辺貞夫コンサートを行ったところ満席で大好評。収益の一部を名張市に寄贈できたこと。2つ目は本日ロータリアンの大先輩である、茶道の千玄室大宗匠をお迎えして講演会を開くことができること」と開会の挨拶をした。 余談として「千玄室宗匠はこの日、広島のG7の夕食会後の茶会の依頼を受けたが、それを曲げてこの会に出席して頂いたとのこと。代わりに家元が、青森から広島に向かうことになった」とのことで会場は大きな拍手に包まれた。千玄室さんがロータリークラブ活動を如何に大切に考えているかが分かるエピソードだった。
続いて「名張ロータリークラブ60年の歩み」のビデオが上映され、的場会長が「会長の時間」のタイトルで「昭和58年には、名張は人口増加率日本一となり、10万人を超えるのも間近と言われるまでになった。現在は8万人を切ったが、歴史と文化の香る緑濃いまちが、本来の名張の姿ではないか。3月7日の渡辺貞夫コンサートは感激した人も多かった。福祉、医療、教育、大切なものはいろいろあるが、文化・芸術は心の栄養(ビタミン)で、人間すべてに必要なものである。千玄室宗匠は文化を世界的なものにまで体現化された方。今後は、名張の良いところ、豊かな自然と文化を後の世代に繋げるように進めていきたい」と話した。
この後、寄贈式で渡辺貞夫コンサートの収益金から、名張市に100万円が寄贈されることになり目録が来賓の北川裕之名張市長に手渡された。北川市長は「コロナで疲弊した市民に癒しを与える素晴らしいコンサートであった。その収益金を頂戴する配慮はありがたい。『大好きなまち名張、語れるまち名張』皆様のお力を頂戴しながら、一緒になって頑張っていきたい」と感謝の言葉を述べた。
千玄室さんの講演会が始まり若い頃からのロータリアンとしての活動を、時にはユーモアも混ぜながら話していたが、やがて海軍航空兵少尉の頃の話となった。特攻隊であった。仲間がみんな、千さんが点てたお茶を飲んで出撃していったこと。自分が出撃の日、待機命令がでて「行きます。全て準備できています」と言ったが、命令違反の出撃はできなかったこと。兵隊たちは「自分が死んで少しでも役に立つのなら」と思って死んでいったこと。「家に帰ったときは仲間に申し訳なくて、家の門の前で土下座して泣いた。亡くなった同期のみんなのお参りに靖国へ行くが、日本が二度と戦争をしないように、『平和』という言葉をつかわなくて済むような世の中にしなくてはいけない」など1時間以上、立ったまま、身振り手振りもまじえて、100歳とは思えぬ程かくしゃくとした姿勢で語り続け、開場は皆熱心に聞き入っていた。