1. HOME
  2. 今週のトピックス
  3. 創座の地で、能を身近に「第54回観阿弥祭」開催

Topics

トピックス

創座の地で、能を身近に「第54回観阿弥祭」開催

南北朝から室町時代にかけて活躍した猿楽師で、能を大成した「観阿弥」が座を起こしたところと言われている地で11月5日、「第54回観阿弥祭」が開催された。観阿弥は謡(うたい)にリズムを加えて音楽的な要素を増やし、大和猿楽に風流と歌舞の要素を取り入れ、観世流能をつくり上げた。主催は名張市観阿弥顕彰会(山中功会長)で、場所は名張市上小波田の名張市観阿弥ふるさと公園の能舞台とその周辺。
始めに山中会長が「顕彰会を創設して今年で55年になる。子ども狂言の育成や、仕舞・狂言・能の顕彰に努めてきた。奇しくも名張市は市制70周年、記念事業として『名張能楽公演』を18日に行う。これを機に、能楽のふるさと名張を盛り上げたい」と挨拶した。続いて北川裕之名張市長が「顕彰会55周年と市制施行70周年記念の『名張能楽公演』では、能の片山伸吾先生を中心に、狂言の茂山宗彦、茂山七五三(しげやましめ)先生等出演の予定であるが、特に七五三先生は今年人間国宝になられた。名張にとっても嬉しく、誇りでもある。更に皆様のお力添えを」と話した。
観阿弥創座の地碑に献茶、献花の後、能楽奉納が始まった。最初は、狂言「以呂波」。演じるのは、名張子ども狂言の会の2人。姉が妹に「いろは」を教えようとするが、へ理屈ばかり言って前へ進まず「えひもせず京と読め」というと「えひもせず京と読め」と何もかもオウム返しに言って客の笑いを誘う。次は小舞で「うさぎ」名張子ども狂言の会11人による小舞謡。ぴょんと跳ねて可愛いい舞。代わって名張幽風会による独吟「高砂 四海波(しかいなみ)」北川市長が練習の成果を披露。次は名張こども能楽囃子教室3人の笛の合奏で「神楽」。
後は大人の演奏で、邦謡会・桔謡会による連吟で「井筒」。名張幽風会による仕舞で「杜若(かきつばた)」。桔謡会の連吟で「小督(こごう)」。名張幽風会による仕舞「巻絹」で今年の能楽奉納は終了した。主催者によるとこの日の聴衆は約300人で、昨年の倍近くであったとのこと。
子ども狂言「以呂波」を演じたのは、姉役が岩嵜杏那さん(美旗小3)、妹役が中嶌華菜さん(同校1)。「昨年の観阿弥祭の後から練習を始めた。めっちゃ練習した。学校の行きかえりにも練習した。似たような言葉で少し違うのが難しかった。今日はめっちゃ楽しかった。もっかいやりたい」と満足そうに2人は話していた。