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大盛況!春を呼ぶ えべっさん

商売繁盛を願う「八日戎」が2月7日宵祭り、8日本祭として名張市鍛冶町の蛭子神社で催された。この祭りは300年以上続くと言われ、奈良や京都など広範囲の参拝者で賑わう。昔はこの地で海の幸と山の幸が物々交換していた名残で、屋台の賑わいの中にハマグリやアサリの屋台も加わる。
蛭子神社もコロナ禍では苦しんだ。神事だけで祭りは行わない年もあった。昨年からは縁起物のネコヤナギの枝に米俵、小判、鯛などを飾り付けた吉兆(けっきょ)や、福を集める熊手を笑顔で手渡す福娘も復活し、今年も抽選で選ばれた3人が並んで祭りを華やかに彩っていた。その上、今年は4年振りにハマグリ入りの「えびす汁」が復活し、約600食が振る舞われた。また、地元保存会による「七福神の舞」が奉納され、本格的に「普段」に戻った祭りを多くの人々が楽しんだ。
7日の夜は、昼にも増して多くの参拝者で賑わい、本殿の前にはお参りする順番を待つ人々が並び、入り口の鳥居から神社の外の通りまで行列ができた。市内の国津から来た男性(65)は、福娘に「吉兆、予約してないけどいただけますか?」と聞き「大丈夫ですよ」と言われて早速吉兆を買っていたが、手渡しされるとき「ようお参り」と言われて大喜び。「毎年吉兆を貰いに来ていた。昨年は予約できずに手に入らなくて、1年中寂しい思いをした。これで今年は、良い年になる気がする」と安堵の表情だった。
本戎の8日、お参りするひとり一人に「ようお参り、ありがとうございます」と声をかけていたのは、鍛冶町区長の藤森修さん(74)。「やっと、普段通りの祭りを迎えることができた。4年振りで嬉しいし、めでたい。とは言いながら正月早々、大きな不幸が能登半島であったけれど、これを機に平穏な日本になって欲しい。コロナで色々なことがストップしたが、我々裏方は神事をストップしないように進めてきた。4年間あちこちに心配をかけた。参拝に来て頂いた人に、お参りに来て頂いて本当にありがとうと、気持ちを込めて言えるのが何より嬉しい。参拝者は予定の3万人以上になるような感じがする」と安堵と喜びの表情で話していた。
福娘の居内絆さん(19)、中阪紀里さん(20)、西岡愛梨さん(22)は、2日間について「『福』を皆さんに渡して、元気な笑顔を見せていただくと、やる気と生きがいを感じた」と達成感を語ってくれた。

やなせ宿でも
「八日戎」に合わせ、名張市新町の「やなせ宿(旧細川邸)」でもイベントが催された。「八日戎祭り in やなせ宿」として、甘酒のふるまいの他、中蔵で「平成の民家」建築展が開かれた。また座敷では、茶道裏千家准教授の廣瀬宗幸・宗司夫妻(72・百合が丘)による「肩のこらない『お抹茶体験』教室」が行われた。
お抹茶体験教室で指導を受け、来場者にお茶をふるまっていた多田弘子さん(つつじが丘)は「廣瀬先生らは、月1回定期的にやなせ宿で『肩の凝らないお抹茶教室』をされていて、指導を受け始めて2年になる。気さくで明るくとても良い先生に恵まれた。次の定期の指導を待ちきれずに今日も来てしまいました」と笑顔で話していた。