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岡家に伝わる武具類 名張市郷土資料館夏季企画展

名張市安部田の市郷土資料館で「岡家に伝わる武具類」が展示されている。岡家は名張藤堂家の兵法指南役で、御刀番でもあったため火縄銃をはじめ、多くの武具関連の資料が残され、当資料館はその多くを保存している。今回その一部を、名張市文化財調査会員の松鹿昭二さんの監修のもと、展示している。
岡家にはその役目上、城の縄張図(設計図)がいくつか残されていて、豊臣時代の大阪城とみられるものや、江戸時代中ごろに描かれたと見られる「名張城絵図」は、城が描かれただけでも貴重であるが、名張城の遺構を示す貴重な資料であり、宝永の大火までは、藤堂家の御殿も名張城の縄張り(設計図)を踏襲しており、1806年に描かれた「名張城下絵図」には、本丸に相当する部分に藤堂家の御殿が描かれていることから、名張城は現在の藤堂家邸跡に建っていたとされている。
武器類では、火縄銃や大筒が展示され、火縄銃を手に取って構えることもできるコーナーがある。長さ117㌢で、思っている以上に重い(3・8㌔)のに驚く。銃の展示では、1867年英国製のエンフィールド銃があり、玉は前込め式で形式的には当時としても古いタイプと担当者の方は言うので、どうやら「摑まされた」らしい。
槍類の展示にも種類があり、相手の着物の袖に先端を絡みつかせて取り押さえる「袖がらみ」は珍しい。その他、戦国時代に入り「大鎧(おおよろい)」から進歩した「具足」が展示されている。鉄砲が使われ戦い方も大きく変わった。身体を隙間なく包む重装備で、しかも馬上にも地上にも対応できる。
その他、現在の名張中学、名張小学校、福祉センターふれあい等々の位置も記された、名張城のジオラマ等、興味深い企画展になっている。
会期は10月1日までで入場無料。休館日が月・木曜日、但し祝日の18日は開館し、翌日19日火曜日は休館する。お問い合わせ先は、名張市郷土資料館(電話0595・64・7890)まで。