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ひじきファーム全国表彰
~農地を守り、地域に活力を~
農事組合法人ひじきファーム(伊賀市)が豊かなむらづくり全国表彰事業において農林水産大臣賞を受賞し、授与式が11月30日行われた。
賀市南部の比自岐地区は、高齢化、後継者不足で農地の維持や、村そのものの活力低下が懸念される状態であった。農地・集落を守るため、地域住民で話し合い2011年に設立されたのが当法人である。
今回受賞の取り組みは▽農地中間管理機構を活用し、高齢化により継続困難になった農地を条件の優劣を問わず借入れ、農地の集積 ・集約化に取り組み地区の7割の農地を保全管理している。▽近隣の9つの農業集落法人とも連携し、施設・機械の共同利用・農業資材の一括購入・作業の相互補完など、コスト低減に取り組みながら「共に生き残る取組」を進めている。▽2021年には新規就農者2人を雇用し、将来を見据えた後継者育成にも力を入れている。▽女性理事が中心となり、企業組合「旬菜工房笑み」を設立。6次産業化への取り組みで、地域の農産物を使用した加工品の開発・製造・販売を行っており、女性・高齢者の新たな雇用の場となっている。また鳥羽市答志島と「ひじき交流」(山の比自岐と海のひじき)を行っており、双方の特産品を活用したコラボ商品を開発し、直売所や観光施設で販売している。▽「コスモス祭り」は大規模のイベントで地域文化と観光に寄与している等々。
地域住民の参加を基本に、女性や高齢者が生き生きと活躍し、地域の農業・村をみんなで守り育てる体制を構築し、美しい田園風景の保全と地域の活性化を進めてきた等々が全国の模範的な取り組みと評価され受賞理由となった。
東海農政局の小林勝利局長は「食料安全供給の大事な役割。国土保全・景観の形成への重要な貢献に敬意を表すると同時に、皆さんの素晴らしい活動についても十分サポートしていきたい」と挨拶した。同法人の田中勇代表理事(77)は「この地域の美しい田園をどう守っていこうかと考え、各地域で集会を重ねて、5年目(2011年)に法人化ができた。農地を守って地域の活性化に繋がればと思ってやってきた。地域の人々の、温厚で集まりやすい性格にも助けられた。受賞を励みにさらなる豊かな村づくりに取り組みたい」と話した。
保全管理している農地は地域の7割に当たる75㌶に相当する。来年には80㌶に達するとの予測もある。もしこの農事組合が無ければ、この地域の農業はどうなっているだろうと考えると、貢献度は計り知れない。