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アルミ彫刻と陶の球体の共振・崇広堂で大平和正×中村ミナト展
「大平和正×中村ミナト︱磁場の共振︱」展が、6月18日まで伊賀市・国史跡崇広堂(上野丸之内)で開かれている。大平さんと中村さんは、武蔵野美術大学の同級生で旧知の仲。大平さんの作品は土の塊を想わせる陶による球体。中村さんの作品はエッジの効いたアルミの彫刻。展示空間は歴史的建造物で典型的な和空間の崇広堂。2人の異質な現代の作品が、歴史的建造物の畳の上で調和せず共振している。
大平さんは1943年東京都生まれ。造園設計の傍ら環境を意識した彫刻を制作。1974年に制作の場を求め移り住んだ伊賀で土と出会い、伊賀市玉瀧の工房で制作活動をしている。今回は直径15~80㌢の陶の球体37点が、江戸時代の建物と広い庭園の空気に包まれて佇んでいる。今回のテーマは「風還元/球体」。
中村さんは1947年東京都生まれ。同大学専攻科卒業後、具象彫刻を始める。1980年第13回日本国際美術展を始め、多くの内外の美術展に出展。東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、北九州市立美術館、目黒区美術館に等に作品が収蔵されている。今回の作品はエッジの効いたアルミニウム板の組み合わせが6組。和の空間に、無機質でひんやりとした反射光が畳を照らす。床に鉄板を敷いた講堂では、高さ2・4㍍のアルミニウムの作品群に、大平さんの球体が座時し、まさしく「共振」している。
大平さんは「この空間(崇広堂)は普通のギャラリーとは異なり、素晴らしい効果が出る。2人の異質の作品がショートして凄く良い効果が出ている。ギャラリーよりも面白い」と言い、中村さんは「ここは江戸時代と現代のボーダーライン。そこに2人の異なった作品が入り込み、空間そのものが作品となっているのを感じてもらえれば」と話し来場を呼び掛けている。
当展覧会の主催は、伊賀市文化都市協会(ぶんと)、後援は伊賀市、伊賀市教育委員会、名張市教育委員会、協賛は堤側庵ギャラリー。時間は午前10時~午後5時、休館日は火曜日、観覧料500円(高校生以下は無料)、お問い合わせ先は、ぶんと(電話0595・22・0511)まで。
それぞれ個展も開催
なお同時期に大平さんは、茶碗によるインスタレーション 大平和正「風還元/茶碗」を6月3日~18日まで、入交家住宅(伊賀市上野相生町)で開催する。時間は午前9時~午後4時30分、休館日は火曜日。
同じく中村さんは、中村ミナトのジュエリー≪タブローのように≫を堤側庵ギャラリー(名張市新田)で6月3日~11日まで開催する。時間は午前10時~午後6時(最終日は午後5時)、会期中は無休。中村さんは「空間とのかかわりを大切にと彫刻を作り、身体との関係をとジュエリーを作り続け、いま振り返るとあっという間のことでした」と述べている。お問い合わせ先は、堤側庵ギャラリー(電話0595・65・3002)まで。