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上本町サンロードが生まれ変わる
名張市の旧町商店街「上本町サンロード」のアーケードが老朽化のため撤去された。1974年(昭和49年)総工費6千万円をかけて完成した開閉式の屋根、多くのレトロな照明、華やかで賑わった往時を思い起こさせるアーケードはもう無い。最盛期は50店近く営業していた店舗も今は約10店。しかし、サンロードが無くなったわけではない。屋根が無くなり明るくなった、アーケードの支柱が無くなり道が広くなった商店街。
ノスタルジーに浸るだけでなく、未来がポジティブなイメージになるようにイベントを企画した人がいる。この商店街で生まれ育った富永憲秀さん(46)。現在は市内桔梗が丘で米穀店を営んでいる。今年1月28日に解体説明があり、2月20日には工事が始まった。解体前にイベントを考えたが、準備も告知も時間がない。むしろ解体後に明るい未来を予感させるものにしたいと考えた。
イベントには2つの柱を考えた。1つは「映像」、もう1つは出店イベントを募り、多くの人々が来て賑わいをつくること。映像の基軸は拡張現実(AR)。入口でQRコードを読み取ると、昔の景色が見える。そのまま進むと店の中にも入っていける。利用者はARの世界をたっぷり楽しんで、アバターになって欲しい。現在のサンロードを記録するため、撤去前にドローンでアーケードの動画を撮り、昔の写真を大募集した。写真は動画に使用したり、サンロードアルバムとして保存。映像は歴史資料としてだけでなく、上本町商店街がこれからも続いていくことを表しているものとし、同時に名張の歴史遺産として活用できるものとする。
当日は商店街南端の空き地で映像展示をする。「出展イベント」は約15店の応募があり、道の両側をほぼ満たすものとなっている。キッチンカー、飲食ブース、地元物産、富永さんの米屋も出展する。また当日は、商店街に連なる宇流冨志禰神社で春の例大祭があり、賑わいは間違いない。
「明るくなって、新しく生まれ変わる上本町の再出発。アーケードが無くなって費用負担がなくなった。新しく出店する人が来てくれれば、なお良い」と富永さんは話している。
「RE:START!!リスタート!上本町」は、4月16日午前10時30分~午後4時まで開催。お問い合わせ先は、富永憲秀さん(電話090・9170・5919)まで。
(写真1番目=イベントをPRする富永さん、2番目=解体前のアーケード・R5年2月16日撮影、3番目=解体中のアーケード・R5年4月6日撮影)