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上本町サンロード 新しいスタート‼
名張市の旧町商店街の南にある「上本町サンロード商店街」で16日、商店街らしい散策や買い物を楽しむイベント「RE:START!!リスタート!上本町」が催された。きっかけは老朽化によるアーケードの撤去工事。約半世紀親しまれてきたアーケードが無くなっても、商店街が無くなるわけではない。商店街を元気つけようと、呼びかけに応じた人々が、映像AR(拡張現実)と出店イベントで盛り上げた。
催しを呼び掛けたのは、この商店街で生まれ育ち、名張小学校6年迄暮らした富永憲秀さん(46)。
在は市内桔梗が丘で米穀店を営んでいる。1974(昭和49)年完成したアーケードはレトロなデザインや照明と共に長年愛されてきた。最盛期には約50店のお店があり、名張の中心商店街として賑わったが、近くにあった市役所の移転や、時代の移り変わりで次第に閉店する店も増えた。今では10店弱のお店が営業、アーケードも老朽化して撤去せざるを得なくなった。「アーケードが無くなっても、上本町サンロード商店街が無くなったわけではない!」富永さんはあちらこちらに声をかけ、この日2つの催しを企画し、成功させた。1つはAR(拡張現実)で楽しむアーケードと、インスタグラムで募集したアーケードに係る過去から最近までの写真。ARは携帯にアプリをダウンロードし、上にかざして眺めると、仮想空間のサンロードが出来上がり、アーケードがあるような不思議に誰もが思わず声を上げた。また、訪れた人がその場で描いた絵を、仮想空間に組み込んだサンロードでのアートフェスのような展示は、まさにアバターの世界。ARに造詣が深い桑山優樹さん(市内富貴ヶ丘)が担当した。その他インスタグラムで応募した写真が、約140点もあり表彰式が行われた。優秀賞、特別賞などが選ばれ、伊賀米、伊賀牛、伊賀酒などの賞品が贈られた。
一方、もう一つの催しである出店も、地元商店や外部からの、キッチンカー、飲食ブース、地元物産等々の約20店が、ほぼ道の両側を満たしていて、多くの家族連れの人々が、春の商店街の散策を楽しんでいた。
富永さんは「こんなに来てくれるとは思っていなかった。やって良かった。定期的にやることや、タイミングについて考えても良いかなと思う。そのためには、もう少し仲間を増やさなければ」と手ごたえを感じた様子であった。
桔梗が丘から孫と一緒に来た西垣実さん(71)は「昔はよくここに来た。商店街が賑わうと嬉しい気分になる。こんなことがきっかけでお店が一つでも増えると可能性が見えてくる。そうなると良いなぁ」と楽しそうに話していた。