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春を告げる赤目滝参り

水温6度の水行ですっきり!?
春の観光シーズンの始まりを迎えた3月26日、安全祈願を祈って「春の赤目四十八滝滝参り」が、山岳宗教の修験道の儀式に従い、8人の修験者により執り行われた。役行者が開いたと言われる赤目滝では、約1300年続いている行事。また、応募した一般参加者14人が水行・火渡り修行に臨んだ。
修験道の本山ともいうべき、滝入り口の延寿院不動堂で安全祈願の後、渓谷にホラ貝の音を響かせながら一般参加者も含め15人の修行者の行列は、修行の場である千手滝にやって来た。早速準備に入り、大護摩供・護摩木祈願が行われた。修験者たちは組み上げられた木の壇に火を焚いた。その中に人々の願いが書かれた多くの護摩木も投げ込まれた。あいにくの雨にも関わらず、罪障や煩悩を焼き尽くすと言われる炎の勢いは激しく高く立ち上り、駆け上がる竜の形ともなった。繰り返し唱えられる般若心経や真言の声と共に、修験道場赤目四十八滝の滝参りクライマックスを迎えた。修験者の祈りの言葉の中に「世界平和」があったのが耳に残る。役割を終えた護摩壇は崩され、広げられ、火渡り修行の準備が整えられた。
水行の人々が千手滝の滝つぼに入っていく。水温は6度。恐る恐る入っていくが、その内慣れたのか、殆どの人は腰や胸まで水に入って手を合わせている。やがて水行から上がってきた修行者たちは順番に、広げられた燃える護摩譚の上を素足のまま数歩で渡り過ぎていく。全員平気な顔をしているのが不思議な気がした。
始めて大阪の富田林市から参加した竹内由香さん(29)は、「1週間ほど前サンショウウオセンターのことを聞きたくて電話した。その時今日の滝参りのことを教えられ、参加を即答した。以前から修行したいと思っていた。厄落としにもなった。水温6度は、入ったときは冷たかったが、その内暖かくなってきた。火渡りは最後の1歩は少し熱いかな、という感じで全く大丈夫だった。今日の修行は本当に気分がすっきりした。これから頑張ろうと思った」と満足した様子であった。愛知県の清須市から父親と一緒に来た柘植跡人さん(中3)と弟の珀人さん(小5)。珀人さんは「予想の何倍も冷たかった。ずいぶん我慢した」来年も来ようと思う?と聞くと「う……ん」とひたすら耐えた思い出しかなかったようだ。跡人さんは「今日で5、6回目。初めは水に入れなかったが、水につかる深さが毎年深くなっていく。来年は腰まで浸かれるように頑張りたい」とそれなりの進歩を話していた。
火渡りは見学者も飛び入り参加できる。チャレンジした名張市内から来た女性(73)は「あちこち具合が悪くなってきたので挑戦した。すっきりした。病気も良くなると思う」と明るい表情で話した。
延寿院の枝垂れ桜はほぼ満開。山を包む霧を背景に、幻想的に浮かび上がっていた。