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「にぎわい忍者回廊」市民向け内覧会 忍者体験施設と旧上野市庁舎

伊賀市がPFI方式で進めている「にぎわい忍者回廊」整備事業の市民向け内覧会が3月9日、新築の「伊賀流忍者体験施設」と改修工事中の「旧上野市庁舎」で開催され、約90人が参加した。
伊賀流忍者体験施設は鉄骨4階建て、市指定有形文化財の成瀬平馬家長屋門の敷地にあり、伊賀鉄道忍者市駅(上野市駅)に隣接。資材や遊具の調達が遅れ、4月開幕の大阪・関西万博に間に合わず、8月末のオープン予定。
「万川集海」と名付けられたこの施設は、1~3階が吹き抜けになっており、4階には受付と「伊賀忍者饗宴膳」という名の40席のレストランがある。
1~3階の吹き抜けは「忍修殿」。「上忍」の指導で各種忍者体験をするコース。2~3階は「魔堅屈巡り」。音声ガイドを聞きながら洞窟巡りをするコースになっている。
2階にお土産売場、1階に「陰陽館」と名付けられた3室のホテルがあり、最大9人が宿泊可能で各室にサウナと露天風呂がある。参加者は、暗い複雑そうな吹き抜けを覗いたり、露天風呂になりそうな場所や、遊具のスペースを想像しながら見学していた。施設の北側の開口やベランダから、忍者市駅や上野城がよく見渡せる。
旧上野市庁舎は、坂倉準三(1901~69)設計事務所の設計でモダニズム建築として有名。1964年に完成し市指定有形文化財。「泊まれる図書館」として計画され、地下1階は保存用書庫と事務室、児童用図書閲覧。1階は図書館として一般開架、閲覧、カフェ、観光物販スペースがある。2階は19室のホテルと学習集会室となっている。  ホテルとカフェは7月中旬プレオープンで、図書館は来年4月開館の予定。文化財なので現状を活かした計画であり、耐震補強で煙突の下半分が太くなったり、トップライトのサッシが変わったりもするが、壁や扉やサッシなどは、できるだけそのまま使われている。1階図書館の閲覧スペースは、天井の高さが5㍍あり同じ高さの窓が周囲を巡り、トップライトもあるなど、明るく開放的なのが来場者の関心を呼んでいた。
柘植町から来た女性(59)は「わくわくしました。坂倉さんの建物を残して次につなげることを思うと」と興味深そうに話した。

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