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「ウクライナに平和を」帰国者が語るウクライナの今

停戦協議が行われているとはいえ、ロシアによるウクライナ軍事侵攻は厳しさを増している。日々報道されるウクライナの様子は、目を覆わんばかり。こんなウクライナからやっとの思いで帰国した人がいる。
4歳と2歳の幼い2人の娘さんと、ウクライナ・キエフから帰国した伊賀市出身の浅井絵利香さん(36)は3月30日、伊賀市役所を訪れ、岡本栄伊賀市長、市川岳人伊賀市議会議長に、ロシアの軍事侵攻に抗議する決議文提出の礼と現状報告をした。
日本の大学で知り合ったご主人と2013年結婚、昨年3月家族4人がウクライナへ。今年になって2月初めに帰国予定であったが、家族のコロナ感染のため延期。戦争の目撃者となった。3月4日、夫を現地に残し、3人は電車に飛び乗り、隣国スロバキアからチェコへと脱出。途中、ボランティアを始め多くの人の支えにより、11日に関空に到着。伊賀市の実家に無事帰った。
キエフでは、幾度となくミサイルの爆音を聞き、住んでいるマンションの地下シェルターに身を隠すことも。その時、ネットで、伊賀上野城が青と黄色のウクライナ色にライトアップしていることを知り、嬉しさと同時に「伊賀に絶対帰らねば」と強い気持ちを持ったという。
岡本栄伊賀市長は、「帰れてよかった。城のライトアップの話を聞いて嬉しい。議員の皆さんも、ロシア許せないという気持ちで、手作りのウクライナ国旗のバッジを着けている。一日も早く美しい国に帰れるよう」と労うと、浅井さんは、「子どもが無事であったことが何より」と笑顔で話した。「これから日本ができることは」という記者からの質問に「多くの人に助けられた。ウクライナは親日家の人も多い。ウクライナに関心を持っていてほしい、忘れないでほしいと思うので、ウクライナの文化や衣装などを紹介するチャリティーイベントをしたい。日本は災害などから復興する力があるので、戦争が終わってからもぜひ復興に力をかしてほしい」と話した。
伊賀市では、当初伊賀上野城のライトアップを3月31日までとしていたが、当分の間延長することを決めた。

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