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「一日も早い平和を」ウクライナから帰国の浅井さん

戦車から轟音とともに砲弾が発射される。ミサイルが飛び、建物が破壊される。多くの人命が奪われる。これは映画の世界でなく、今ウクライナで起きている現実の世界である。
2月24日、ロシア軍の侵攻が始まり、まもなく3か月が経とうとしている。そのウクライナにウクライナ人の夫を残し、2人の幼子を連れ、緊急帰国した伊賀市出身の浅井絵利香さんが5月17日、ヒルホテルサンピア伊賀(伊賀市西明寺)で開かれた上野ロータリークラブの例会で、帰国時の状況やウクライナへの思いなどについて話をした。冒頭、空森栄幸会長がロシアの侵攻に対する憤りや、ウクライナ支援の必要性について話をし、クラブとして募金活動をするとともに、支援金を国際ロータリークラブを通じて、ウクライナに届けることを発表した。
続いて演壇に立った浅井さんは、2月に帰国の予定であったが、家族のコロナ感染のため延期。3月4日、急遽電車に飛び乗り、隣国スロバキアからチェコを経由して、フランスから飛行機で3月11日に関空に帰国した。多くのボランティアの支援があったから帰国できたという。住んでいた首都キーウでは、ミサイルや爆弾の音を聞き、幾度となく自宅地下のシェルターに避難したという。こうした厳しい状況の中でも、ウクライナの人は日本が以前からODA(日本の政府開発援助)をしていることを知っている。日本の支援に感謝しているから、親日家が多く、日本人である私たちに親切にしてくれたと浅井さんは話す。美しい国、優しい国民、ウクライナに一日も早く平和が訪れるようにと、切々と語る浅井さんの話に会員は熱心に耳を傾けていた。
空森会長は「コロナ禍でこうして人を呼んでの卓話は長く行っていなかったが、会員が浅井さんとつながりがあることを知り、また今の状況で何かできることがあればと、まず話をしていただいた」と述べた。例会終了後、浅井さんにウクライナに残っている夫のことを尋ねると「兵役への招集はまだないが、いつ来ても不思議でない。心配している。2人の子どもは今も夜中に急に泣き出したりする」と不安を話すとともに、「日本の人にウクライナの事を知っていただき、戦争中も、戦争が終わってからも復興のための支援をしてほしい」と語った。

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