「令和の学校」ってどんな学校 No35 御杖村立御杖小学校
2022年の年明けとともに、オミクロン株による第6波といわれるコロナ感染者が急激に増加している。なかでも就学前児を含む小中学生の感染者が増え、小中学校などの休校や学級閉鎖が目立っている。各学校ではその対応に追われ、先生方は今までになかったほど、多忙を極めている。そんな中、コロナ感染児童の有無を確認しながら、今年の学校訪問を始めた。今年最初の訪問校は、名張市の南、奈良県御杖村の御杖小学校。音村泰弘校長を訪ねた。
コロナ感染者は。
今のところいないが、教職員を含め子どもたちには感染予防対策の徹底を図っている。児童数は少ないけれど、密を避け、マスク着用や手指消毒、換気、黙食など。対策を講じていても、感染者が出ることも考えられるので、そうした時の対応についても、教育委員会の指導の下、教職員が共通理解を図っている。
ところでこの校舎に移ったのは。
御杖小学校は、1996年(平成8)に村内にあった3校が統合したのを契機に、1998年(平成10)に「象徴的な100年生きる建物」をコンセプトに建築家の青木淳氏が設計した円形ドーム型の建物であった。しかし、児童の減少により、「小中一貫教育」を進めていく上で、小中学校が離れた場所(約2・5㌔㍍)にあるより、同じ校舎で学習する方が効果的であるとの考えから、御杖中学校校舎を改築し、昨年9月に小学校が移転した。1階は、校長室や職員室、図書室、給食室などのいわゆる管理棟、2階は小学校、3階は中学校になっている。校舎内は村や村教委が我々教職員の意見を十分取り入れていただいたので、小学生にとっても中学生にとっても、大変活動しやすいつくりにしていただいた。
小学校と中学校が同一校舎にあるいうのは。
小学校と中学校の連携についてはいろいろと協議が行われた。その結果、それぞれの良さを活かしながら、小学校は小学校として、中学校は中学校として学校経営を行う(施設一体型)。ただし、校長は一人で私が小中の校長を兼務している。校舎が離れていた時は、教職員の連携は難しかったが、職員室が一緒(ひとつ)になった今は、子どもたちのことについて、互いにいろいろと情報交換できる。授業においては、音楽や図工、体育などいくつかの教科で中学校の教員が小学校の授業を行う「乗り入れ授業」を実施している。
小中一貫教育を実施することのメリットは。
小中の教員が同一空間で生活することにより、それぞれの校種の違いが理解できる。大切なのは、その違いをどのように埋めていくかだと思う。私が感じているのは、例えば学級経営のち密さ、あるいは教室環境の美しさなどは小学校の教員の方が勝っている。掲示物や板書などは、きれいに、また美しいのが小学校。一方、生徒指導や教科の専門性などは中学校の方が進んでいる。もちろん全てが全てそうではないが。一概には言えないが、私の経験上そう思ったことが多かった……
続きは令和4年2月12日号の伊和新聞に掲載しています。
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