「令和の学校」ってどんな学校 No56 山添村立山添中学校
名張市・伊賀市と隣接する山添村。名張駅から近鉄利用、村の中央を通る名阪国道を利用して伊賀市へと、通勤通学をはじめ買い物や就労等村民の生活は両市とのつながりが強い。その名阪国道山添IC近くに堂々たる校舎と広々とした運動場の山添村立山添中学校。その沿革を辿ると、戦後の新制中学校として、昭和22(1947)年4月開校の東山村立東山中学校・豊原村立豊原中学校・波多野村立波多野中学校に遡る。その後、昭和31(1956)年、三村合併により山添村が誕生、3校が山添村立と名称変更する。昭和62(1987)年、3校が統合され、山添村立山添中学校が誕生し、今年で36年目を迎える。そんな山添中学校に岡田浩幸校長を訪ね、山添中学校の取り組みを聞かせていただく。
コロナ禍での教育活動は。
9月4日に「少年の主張奈良県大会」が本村を会場として開催された。当日は入賞者10人が発表したが、最優秀賞に本校3年植田琴羽さんの「後悔する前に行動しよう」が選ばれた。中学生になってスマホを買ってもらったことから勉強が手につかない「スマホ依存」を、テスト中は手にしないとか、1日の使用時間制限をするなど「自分ルール」を作った体験談をまとめ、意見発表した。本校では、言語活動や発表体験を重視しているが、毎週木曜日には生徒が発表、年1回全員が行う。また最近では生徒だけでなく、教師も全員行っている。ただ、コロナ禍では、全校生が集まることができなくて昨年は録画しての発表であったが、今年は発表をライブ中継し、教室に配信している。こうして、自分の考えや思いをまとめ、人前で発表する体験は生徒に自信をつけるし、より一層授業も意欲的になってくる。今回は、全校生徒の作品を送ったが、応募総数約2500作品の中から本校生が他にも優秀賞や努力賞など10人以上が賞をいただいた。
今年で校長3年目と聞いたが。
奈良市立柳生中学校を振り出しに、奈良県南部の上北山中学校、曽爾中学校を経て、本校に赴任。その後、奈良県教育委員会で人権教育や地域教育に関り、また国立曽爾青少年自然の家で、青少年や地域の教育活動に従事。そして、本校に再び教頭として戻り、一昨年校長として勤務している。それぞれの勤務地で体験することの大切さや学校に対する地域の人の期待の大きさを知ることができたことは私の教師としての宝であると思う。感謝である。
ICT教育は。
本校生1人1台タブレットが導入されたのが、2年前の2月。機種の選定や校内LAN整備等多くの課題を抱えていたが、村教委の英断と保護者の理解、教職員の前向きな姿勢などが導入につながった。この時期はまだコロナ拡大の前であり、公立学校での1人1台配布は全国でも珍しいとされていたが、その後の社会状況から考えると、あの時のタブレット配布により、全国一斉休校にもオンライン授業が実施でき、まさに先見の明であったと思う。教職員研修も大学の先生を指導助言者として、招聘していただいたことも、その後の本校のICT教育の進展につながったと言える……
続きは令和4年10月8日号の伊和新聞に掲載しています。
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